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た。
「授業なんかどーでもいいじゃん…」
マリこと望月真理は優等生。ナミとは何故か大親友な間柄なのだが、授業をサボりがちなナミを心配して教室内にナミがいないとメールをしてくるのだ。
「…ん?」
今回はいつものお決まりな文章では無かったらしい。『追伸』として次の様に書かれていた。
『ナミだけじゃなくて、アユも頭が痛いって保健室に行っちゃったから、フォローするの大変だったんだよ?』
ナミは目を丸くした。普段やる気は無くても授業には出席していたアユがサボったのだ。…まぁ、授業態度は頗る悪く、常にネイルアートグッズを机に並べ、爪の手入れをしている姿しか印象にないのだから、致し方無いとは言えるが。
『ゴメンm(__)m授業終わったらすぐ戻るゎ🏃』
腕時計を見ると授業終了時刻まで残り数分。ナミは急いでマリにメールを返した。『送信完了』の画面を確認すると、折り畳み式の携帯電話を慣れた手つきで畳み、スカートのポケットに仕舞い込んで立ち上がる。数秒後、授業の終わりを知らせる鐘の音が響き渡ったのを耳にしたナミは、一目散に教室へと駆け込んだのだった…。
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