観察15

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わ。 うわああ。 どうしよう。 嬉しい。 桃香は自ずと緩む顔を悟られないように、慌てて助手席に乗り込んだ。 すぐに車を発進させて、裏門から出るケイ。 桃香はケイの指示でしばらくシートを倒して隠れた。 おしゃれなBGMでも、流行りのJポップでもなく、車内に流れるのはNHKラジオ。 桃香はなんだかケイらしいな、と思った。 体を傾けながらも運転するケイの横顔を見る。 ケイの後ろでキラキラと流れて行く景色。 ケイの眼鏡や寝癖の付いた髪や真っ直ぐ前を見る目を、いろんな色に変えていく。 運転する男の人って、……なんでこんなにカッコよく見えるんだろう。 桃香は、お父さんや親戚以外で初めて乗る男の人の車に、いや運転する人にドキドキが止まらなかった。
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