観察15

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「……。 取り合えず、乗って」 「え?」 ケイは顎で自分の車の助手席の方を示す。 「いろいろマズイから、校内から出るわ。 もう夜だし送っていくから」 「え、あ……。 い、いいよ、そんなことしてもらわなくても」 桃香はもう迷惑はかけないと決めた。 「これで帰り道通り魔にでも遭われたら、半分俺のせいになるだろうが。 後味も悪いし」 「そ、そんな言い方しなくても……」 桃香は複雑な気持ちになりながらも、急に訪れたチャンスと予期していなかった流れに胸が高鳴る。 「いいから。 早く乗れ」 バタン。 ケイは運転席に先に乗り込んだ。
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