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朝7時半。ハト時計の針が30分を指すと「パッポー」とハトの一声。羽をパタリと開いて、すぐに扉の中に引っ込んだ。
それを見た君は、いつもの様に赤いリードを口にくわえて、僕の元へとやって来る。
なんだなんだ、その顔は。
くりっと首をかしげて僕の胸をわしずかみにする。目をこれでもかと見開き、宝石の様に輝かして。
しっぽを振りすぎて、床のわたぼこりを舞い上げているではないか。
「ちょっと待ってなリッキー。顔洗ってくる」
毎日毎日、同じ時間に場所、同じ相手との散歩が心底楽しいと、興奮するのは君くらいだろう。
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