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偽りの日々。
今まで生きてきた中で、一番後悔したのは十六歳の時。
大好きでたまらなかった二歳年上の先輩を、諦めてしまった学園祭の夜。
どれだけ泣いただろうか。
どれだけ悔やんだだろうか。
後悔と苦悩が脳裏を支配し、全ての感覚が麻痺していく。
男なのに、女のように涙が出てくるとは思わなかった。
純粋に『好きだ。』と思っていても、決してこの恋は叶うものではないと実感した。
(二度と他の人を好きにならない。俺は、この恋を一生貫いてみせる!)
十六年間住んでいた街をあとに、この恋心を糧に生きていくことを決めた。
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