マイナス１５

帰り道

３度目の到達アナウンスが流れる。
アタシの長い１日も、そろそろ終幕。

プシュー

扉が開き、見慣れた街が現れる。

やっと着いたのはいいけど、なんだか淋しいものね。
この12時間ほどの間に起こったことを少しずつ思い返しながら改札をくぐった。

駅から家までの幾つかあるルートのひとつに、川沿いの桜並木がある。
遠回りになるから普段は使わない道。

今日はその道を選んだ。
こうなったら、とことん感傷にふけってやるさ。