第1話

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血のような赤き大地・・・火星。 ナノマシン、ドリームミストによるテラフォーミングを経ても尚、その大地や空の色が変わることはなかった。 そして今・・・ 火星は大量の人の血を啜る、本物の地獄へと、その姿を変えていた・・・ 「何で・・・なんでこんな事に・・・」 その大地に、二の足で立っている人間は、2人だけだった。 物語は、二日前に遡る・・・ キィイイイイン!! 空を切裂く鋭い音を響かせて、1機の戦闘機と、2機の人型兵器が火星の空を飛ぶ。 戦闘機を操縦する男のコクピットに、電子音についで通信が入る。 <後、もらいましたよ隊長!> <覚悟してください!> 戦闘機の後に、ぴったりと付いて飛ぶ人型兵器。 銃を構え、今にも発砲されるかという瞬間、戦闘機は地面に向かって機首を回頭させた。 「…」 戦闘機のパイロットである青年はスロットルを手前に引く。 推力を失い、地面に向かって落下する戦闘機。 <あ!?> <お、追え!!> 戦闘機を追い、人型兵器もその後を追う。 地上300メートルといったところだろうか。 戦闘機は以前、その速度を落さない。 グングン地面は近づいてくる。 200メートル、100メートル、50、30、20… <だ、だめだ!このままでは地面に激突するッ!!> <上昇だ!!> 戦闘機から距離を取る人型兵器。 「今だ!チェンジヒューマンモードッ!!」 中央コンソールのボタンを押す戦闘機のパイロット。 すると、戦闘機が変形を開始する。 後部ブースターが垂直に起き上がり、足を形成する。 「ここだっ!!」 だがパイロットの青年は全ての変形が終える前に、スロットルを思いっきり押し込む。 ゴウッッッ!!! 垂直に伸びた『足となったブースター』が、思いっきり火を吹く。 「・・・ッ!!」 とてつもないGを耐え切り、一気に2体の人型兵器の上を行く。 そしてボディから二の腕が飛び出し、機首が折りたたまれ胸部を形成、機首があった場所から人型の頭部が出現する。 <し、> <しまった!!> 「遅い」 腰から一丁のハンドガンを取り出す。 照準を付け、発砲。 ドウン、ドウンッ!! 弾は見事に2体の人型兵器の背面にヒットする。 だが2体が爆発炎上する事はなかった。 弾は、訓練用の…ペイント弾だったのだ。
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