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移動教室先は、闘技場。
そこはドーム状の建物であり、バトルリンクは四つ設けられている。
まぁ、バトルリンクと言ってもただの正方形の岩なのだが。
四人がその闘技場に着いたのは、授業開始まで一分を切った頃だった。
「海斗……」
「何でしょう?」
「何で、お前、だけ……余裕、の、表情、してん、だよ……」
海斗を除く三人は肩で息をしており、理恵とルリに至っては会話さえも出来ない様子だ。
それに対して海斗は呼吸を乱さないのはおろか、汗一つかいた様子も無い。
「疲れなかったから、としか申せないのですが…」
海斗の返答に三人は同じタイミングで同じことを思った。
「「「(あ、ありえない……)」」」
三人が息を整えようと悪戦苦闘している内にガゼルが移転魔術で姿を現した。
どうやらこの授業はガゼルが受け持っているらしい。
息を整えようとする三人を呆れたように見たのは気のせいでは無いだろう。
「授業始める前に……氷月」
「何でしょう?」
突然名を呼ばれたことに動じることなくガゼルを見る。
「魔具持ってるか?」
「……いえ、持っておりません」
ふるふると首を横に振る。
魔具というのは簡単に言ってしまえば武器のことである。
特殊な鉱石に魔力を流すことで精製することが出来る。
魔具の長所は使用者に最も適する武器になることと、軽いために持ち運びが楽なことである。
だが時に脆い魔具が出来てしまうという短所もあるため、熟練者はドワーフやエルフ達が作った既製品を愛用する者が多い。
「なら氷月はこれで魔具を作れ」
勢いよく投げ渡されたのは先に述べた特殊な鉱石。
それを片手で受け止めて、海斗はガゼルに首肯した。
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