エピローグ

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 どうして俺は、ここに来たのだろう。  思い出せない。  ただ、今日ここに来れば、俺の心に空いた穴が塞がるような気がした。  ここは、隣町の神社。  幅の広い100は段ある、階段を上がる。  合格祈願?  いや、推薦だったし、何より結果は出ている。  もう、12月の28日だ。  28日……何だっけ?  初詣……じゃない。  フライングしすぎだし、それに、わざわざ隣町の神社に来る必要がない。  しかし、ほとんどの神社は、やたらと高い所にある。  平坦な場所でも良いと思うけど……。  そういえば、夢中で自転車を走らせたな……。  どうしてだろう……。  そう思いながら、階段を上りきる。  粗く白い、化粧砂が敷かれている辺りの地面。  そこから顔を出す、石畳を歩き、社の前に立つ。  ポケットから小銭を出し、賽銭箱へ。  2礼4拍1礼。  何の神様だろう?  とりあえず、「今年1年間ありがとうございました」と、お礼を告げた。  うん。  何もない。  俺はそのまま、首を回し、左右を見る。  小さな神社だ。  社務所の方が……大きい。
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