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寮の僕と翁長の部屋に、帰ってきた僕は早速、着替える。
いつまでも制服だと、窮屈で仕方がない。
ふと、翁長のベッドに目をやる。
今日は、いつ帰ってくるのだろう。
夜、一緒にご飯が食べられるかな。
あれ、何か忘れてる。
帰り道、誰かに会って何かを頼まれたような気がしたけど、ど忘れしてしまった。
仕方ないので、出された課題をやりますか。
「……し…。は……ま」
誰が、何か言っている。
あ、翁長だ。
「花島!起きろ!風邪引くぞ!?」
大声を出されて、ビックリして起き上がると、天を仰いだ。
「大丈夫か!?」
なんの衝撃もなかった。
あぁ、抱えられているからか。
「翁長…。お帰り」
「……。ただいま」
翁長が嬉しそうな顔をするのを見たのは、初めてだ。
こっちまで、嬉しくなる。
「ご飯、食べよ?」
「…まだ食べてなかったのか?」
「ん、翁長を待ってた」
「……ありがとう。花島」
一緒に食べたいって思ったから、待っていたのにお礼を言われた。
嬉しいな。
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