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いぬ。の巻
19世紀ベルギーの
フランダース地方。
ジェハンおじいさんと牛乳売りで生計を立てている少年ネロと愛犬パトラッシュは、貧しいながらも幸せに暮らしていました。ネロの夢は画家になることです。そんなネロの幸せな日々もそう長くは続きませんでした。たった1人の肉親であるおじいさんの死、風車小屋の放火容疑、絵画コンクールでの落選……次々とネロの身に不幸が襲いかかります。そしてその年のクリスマスの夜、全てを失い途方に暮れるネロがアントワープ教会の大聖堂で見たものは、ずっと見ることの叶わなかった憧れのルーベンスの「キリスト昇架」と「キリスト降架」という素晴しい2枚の絵でした……。
パトラッシュ…
僕は見たんだよ…
一番見たかった…
あのルーベンスの2枚の絵を…
パトラッシュ…
疲れたろ…?
僕も疲れたんだ…
何だかとっても眠いんだ……
天使達に誘(いざな)われ、眠るように静かに天に召されていく2人………
犬「あのぉ…
私パトラッシュじゃなくて
ヨーゼフなんスけど…。」
【完】
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