幼馴染

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ジュンは不愉快そうに目を擦り、二人の男を見てため息をついた。 ユリィはジュンの顔をじっと見つめた。 「な、なんだ…?」 じっと見つめられジュンは思わず後ずさる。 ユリィは拳を握りしめ俯いた。 「ユリィ?どうかしたの?」 「………いい」 「へ?」 「可愛い!!」 ユリィはパッと顔をあげると、ジュンに歩み寄り手をぎゅっと握る。 近くで見ていたミランダ達は目を丸くし、ジュンは突然手を握られ顔をしかめる。 「俺、ユリィね。お嬢さん名前は?」 「…ジュンだ。如月ジュン」 ユリィはジュンの名前を聞くと目を輝かせ、顔を近づける。 ジュンは不思議そうな眼でユリィを見た。 「ユリィ、ダメだよ」 今まで黙っていた銀髪の男が口を開いた。 ユリィは男の言葉を聞くとジュンから離れ、不機嫌そうな顔をする。 銀髪の男はユリィを睨みつけるとユリィも男を睨み返した。 「ちょ、ちょっと待って」 キャロルが殺気を感じ二人の間に入った。 「そういえば、そこの銀髪のお兄さんの名前まだ聞いて無かったよね?」 キャロルはにこっと微笑み男と向き合った。 「そう言えばそうだね…僕はシオンだよ。で、こっちが弟の…」 そこまで言いかけユリィをちらっと見た。 「ユリィだ。さっきジュンには言ったけどな」 そう言いジュンの方を見てニッと笑う。 ジュンは反応に困り目を逸らした。 「シオンとユリィだね、よろしくね。私はキャロル」 キャロルは名前を告げると嬉しそうに微笑んだ。
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