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ジュンたちは互いに自己紹介をすると、シオンが割った窓を修復しようとジュンは窓の破片を集めて立ちつくしていた。
「あ、ごめん…すぐに直すね」
そう言いシオンはジュンから窓の破片を受け取りぶつぶつと何かを唱え始めた。
すると、破片が浮かび上がり割れた窓まで近づいて行った。
そして、光が溢れジュンたちは目を瞑った。
目を開くと窓は元通りになっていた。
「これで元通りだね」
シオンは満足そうに微笑み、驚いているジュンたちの顔を見た。
「直った…すごいよ!シオンすごい!!」
キャロルはぴょんぴょんと跳ね上がる。
「ねぇ、ジュン…あなた…」
ミランダはジュンの表情を見て言葉を失う。
オルハもミランダの言葉を聞くとジュンの顔を見た。
「ジュン…」
「なんだ?」
ジュンは首を傾げる。
オルハはふっと微笑み口を開いた。
「お前、今驚いてたぞ」
「…私が?」
オルハの言葉を聞きジュンはオルハに詰め寄った。
ユリィはじっとジュンの顔を見て、「なるほどね」と呟いた。
ミランダはユリィの一言を聞き逃さなかった。
「なにが“なるほど”なのかしら?」
「……おかしいと思ったんだよ。俺が顔近づけても、手を握っても全く表情が変わらない…普通の人間じゃあり得ないだろ?」
「…ジュンが普通じゃないと言いたいの?」
「別にそんなこと言ってねぇだろ」
ミランダはユリィの胸倉を掴むと殴りかかった。
だが、ジュンによってそれは阻止された。
「ジュン!!」
「やめろ。私が普通じゃないのは確かだ」
「…そんなこと、言わないでよ…」
ミランダはジュンの言葉を聞くなり、涙を流す。
「そんなこと言わないで!じゃあ私は、いままで普通じゃない人間と一緒に過ごしてきたって言うの?!」
シオンは怒鳴るミランダを見て目を伏せる。
キャロルは隣で二人のやり取りを楽しそうに見ていた。
「…すまない…少し、頭を冷やしてくる」
そう言うとジュンは外へ出て行った。
ミランダはその場に泣き崩れた。
オルハは泣き崩れるミランダを優しく抱きしめた。
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