兎でメリークリスマス

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ふわりと宙に浮かぶ体。 もともとふわふわしてたから、さらにふわふわして……変な感じ ポスっと膝の上に座らせられた。 誰だろう。そう思い 顔を上げてみれば、騎龍先輩で……… 「……せんぱい…?」 不思議そうに見上げている僕に気付いた先輩は、静かに僕の頭を撫でてきた。 「……ふへっ」 でも 「やっ…くすぐったいのっ」 先輩が付けてる白い髭が僕の首に当たって くすぐったかった。 くすくすと笑っていれば、マグカップを持った静世先輩が来た。 「…本城君、今日はよく笑いますね」 「ああ…」 僕の声に髭を外した騎龍先輩は、背中をテンポよく叩く。 ポンポンと叩く大きな手に、眠くなかったはずの僕は次第と眠くなって… ねむたい けど ねたくない。 そんな思いに閉じそうな目を、僕は閉じないよう必死に耐えていた。 「…ん」 舟を漕ぐ僕に気付いた騎龍先輩。 「…もう寝ればいい」 そう言って頭に一つキスをした。 「…ん……」 それが合図だったかのように、僕の目は静かに閉じた。 「……寝た?」 「あぁ」 腕の中で寝息をたてる本城。 クリスマスパーティーなんて柄じゃないが…… まぁ、な。 「……」 俺は寝息をたてる本城を抱え、立ち上がると寝室へと向かった。 「……俺、も…」 同時に鉄治も立ち上がり、俺の後を追う。 それを横目に確認しながらも寝室へと足を進めた。 、
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