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「ん…、そういえばさぁ。朝のアレ、何だったの?」
豚汁の里芋を頬張りながら、朝の呼び鈴について聞いみた。
「あのブリッジのアホっぷりは最高だった。」
…………いや、違うから……
「……ソレは忘れて下さいお願いします」
「写メに撮っとくべきだったわ。失敗した…。」
………なんかニヤニヤしてるな。じゃなくて。
「…呼び鈴の方だよ。回覧板か何か来たの?」
「あー、何か小包届いてたわねー。お父さんから。」
ん?また何か土産物でも送って来たんだろうか。親父はたまに、仕事先で面白そうな物を見つけるとこうやって家に土産として送って来たりする。
それはいつも家に残されてる俺達が寂しい思いをしないようにという配慮なのか、子供の時から続いてる…。俺達にとっては別段、珍しい事ではなかった。
「……ぷは。…ごちそうさま。」
お茶を飲み干し、一息ついて食器を片付ける。
めしを作るのは姉、片付けは俺。これも神原家のルールって奴だ。
静姉は料理は美味いが片付けはてんで駄目。掃除、洗濯、料理以外の家事全般。
何をやらせても悲惨な結果を残してしまう天性のデストロイヤーだ。
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