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「もし?学校終わった?じゃあサンクスで待ってるわ」
東京から遠く離れたとある街にあるコンビニのサンクス。
新一は一日に一回ここに来る。
高校を2年で中退した新一は、すぐに鳶(とび)職の仕事をはじめ、趣味の単車にお金を注ぎ込みながら生活をしていた。
ようやく18歳になった新一はサンクスの本コーナーに座りこみ、中古車情報誌を眺めていた。
「やっぱ乗るなら33シーマ乗りたいなぁ」
と独り言を言っていると、サンクスの駐車場に単車が入って来た。
ブゥゥゥン
二気筒の鈍い音が独特のホーク2。
そしてそれに跨がった学ランの男が新一の親友、和良である。
新一と和良は同じ町内に生まれ、小学も中学も共に育ち、高校も同じだったが、新一が退学してしまったため、今はいつもこのサンクスで集合することになっている。
「おう~和良、風防つけたんだ?」
「おう、なんか物足りないからさ」
「やっぱホークの音いいよなぁ」
「あほか、お前のCBXは倍ぐらいの値段だろうが!」
「いやぁだってさぁ、たまには二気筒の音が恋しくなんだよー」
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