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変な話かもしれないが。
私はいつの間にかこの世界に慣れていて。
サークルで新撰組の話で盛り上がったことをすっかり忘れていた。
本を読みあさって知った『沖田総司』と目の前にいる沖田総司は違う人物だと頭の隅で思っていた。
でも、同じなんだ。
もちろん、性格とかエピソードは想像のことだからズレがある。
けど。
史実として知ったことは、この沖田さんのことなんだ。
そう考えると、なんだか嬉しくなった。
沖田さん、私はあなたのことを知っているんですよ。
あなたが思っているよりもずっと多くのことを。
これからの、ことも。
…これから?
「静馬、一緒に遊んでこない?」
平助が私に笑いかける。
「はい、ぜひ!」
ちりっとした小さな痛みを、私は気づかないふりをした。
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