突然のさようなら

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春の暖かい日差しの下、私と寮生たちは花壇の清掃をしていた。 「うーねぇ、これでいい?」 うーねぇとは、私 苑田詩音の愛称。 ここ『群青館』は、何らかの理由によって子供を育てられなくなった親が子供を預ける施設。親に虐待を受けた子供、捨てられた子供たちが暮らす養護施設だ。 私詩音も、幼き頃に親が離婚し捨てられたという過去を持つが、そんなの自我が目覚める以前のこと。 今さらどうだっていい話だ。 その話だって、園長先生に聞いたぐらいだ。 『群青館』…堅苦しい名前だと言われがちだが、この施設の創立者である“ラピス-綾香-ファゴット”からきている。 ラピス―つまり、ラピスラズリ。 ラピスラズリの色は綺麗な青らしい。 まぁ、見たことないけどね?
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