始まりとはいつも唐突に

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ここはイーリアと言う世界。 世界は傭兵産業が盛んで各地に遊牧民が存在しているローグ王国。 堅実な文化を主とし、大陸最強と言われた騎馬隊を保有するガーランド帝国。 対象に華やかな文化を持ち、数多くの優秀な魔導士を輩出してきたレイティア国。 これらの国がイーリアを三分していた。 その勢力は伯仲しており、過去に数回、大戦と呼ばれる戦いが何度も起きていた。 そして舞台はレイティアにある世界の中で最も巨大な都市と言われているコーネリア。 レイティア国の文化はここが発祥地であり、主に貴族と呼ばれる者達が文化を促進するのに一役買っていた。 しかしそれを鼻にかけた貴族等が身分の差を作り出し、コーネリアの身分は貴族と平民の二つに分かれてしまったのである。 当然、経済的な理由から貴族達が有利になっていき、平民達は貴族に屈するようになっていた。 そこから現れたのは奴隷制度である。 平民達は段々と人として扱われないようになっていた。 大量の課税を強いられ、遊びと言う名目で暴行を受け、魔法で火あぶりにされ、玩具として扱われ、平民達は次第に人間として尊厳を失いつつあった。 ――私達に未来は無い。平民の誰もがそう思い始めた時。 「救世主」が現れた。 エル=クラウザーと言う人物が平民に呼びかけ、革命を起こしたのである。 平民の男子はほぼ全員が参戦、数は貴族側の数倍と数は遥かに上であった。 コーネリアは革命軍と鎮圧軍の二つの分かれ、壮絶なる戦闘が繰り広げられていた。 序盤は苦戦を強いられていた革命軍であったが、各貴族が雇っていた私兵団が革命と同時に反乱を起こし、革命軍側に参加したのであった。 数で劣る貴族は段々と押され始め、コーネリアの各地で革命軍側が勝利を重ねていた。 しかし腐っても貴族である。 貴族は元から魔法や戦闘の訓練を受けている者が多く、一騎当千の活躍をする者が多かった。
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