エピローグ。

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「? 母さん?」 「! …ね、斗希。 ときどき、誰かが傍にいるような…そんな気持ちになったりしない?」 「はぁ? 何意味わかんねーこと言って…、 ついに頭がイカれたか」 「! ひっどーい!」 「こんな様子じゃ、父さんは大変だったんだろうなぁ。 苦労が目に浮かぶよ」 「! そんな事ないよ。 …悠斗は、誰よりもあたしを愛してくれたんだから…っ」 「…ンなこっぱずかしいこと、真顔で言ってんじゃねーよ」 斗希は、溜め息混じりにそう呟くと…焦げたトーストを口いっぱいに頬張りながら、カバンを肩に引っ掛けて。 「今日の夕飯、透とちづるが来るんだろ? アイツら暇人だよなー。 さっさと結婚しちまえばいいのに」 「また余計なお世話だ、って言われちゃうわよ? ほら、いってらっしゃい!」 「あ、俺今日デートだから遅くなる。 それじゃ」 「うん、デートね。 …って、…えぇっ?!」 既にいなくなっている自分の息子、斗希の後ろ姿に思いを馳せながら… 芽衣は、深い溜め息を漏らして。 「もう… 小学校で恋人いるって、あたしより進んでるじゃない。 …やっぱ、誰かさんに似たのねー」 嬉しくも、複雑な心境…。 「…さ、洗濯物干してからパートにいかなきゃ! 今日も一日がんばろーっ!」 …悠斗、 あなたは…幸せですか…? 「…今度は、うそ…つかないでね」 …でも、あたしを幸せにするウソだけは…許してあげる。 だからどうか、これからも… END..★
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