ノックノックこんばんは

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深夜---周りに誰も居なく、静まり帰った影の時間。 「一人のピエロが通ります。ノックノックこんばんは」 「こっちは一人のクラウンが通ります。ノックノックこんばんは」 奇怪なヒトガタの二体がケラケラ笑う。 不規則に膝が曲がり歩き出す。 「ノックノックこんばんは」 「ノックノックこんばんは」 ケラケラ笑う。 不気味な通り。 その間を通る私は一つの店の前に止まる。 『魔法堂』 その名の看板が提げられた一つの店。 ドアにはノックするための鉄のリング。 「ノックノックこんばんは」 「ノックノックこんばんは」 二人のヒトガタが笑い出す。 ノックノック 「こんばんは」 私は店の扉を開けた。
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