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翌日の放課後、大久保は俺たちより早くジャージ姿でグラウンドにいた。
「大久保、早いな?」
俺の言葉に大久保はまた表情を変えずに平然と答えた。
「さっき学校に来たからね。」
....
いいのか?
それでいいのかっ!?
「それで川中君、僕は何から始めればいいんだろうか?」
いや、大久保....
「呼び捨てでいいから....同級生だし。」
「そう?じゃあ川中、僕はどうしたらいい?」
どうしたらって....
「練習だけど....その前に大久保、正式に野球部員になるなら顧問の先生に申し込まないとな。」
大久保はサラッと言った。
「あ、もう済んでるから....ついでに校長にも言っといたから。」
アンタ....
「川中、来たぜあいつら....」
校舎の方からゾロゾロと新入部員たちが出てきた。
「あいつら見てると具合悪くなるな。」
吐き捨てるように言う広瀬の言葉に全員が頷いた。
「そういえばマネージャーも見てないな、来てるのか?」
松本の言葉に柏が珍しく毒を吐いた。
「来てんじゃないの?50人のファンのために。」
何か雰囲気が悪くなるな....
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