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気がついたらここにいた。
見慣れた携帯電話を持ってぼーっと黒い世界に座っていた。
そして…
そう、呼ばれたんだ。
「ありす…」
って後ろから声がした。
そこにはひとりの少女がいた。
私はその少女に見覚えがあった。
ふらい…
「魔法食品えびふりゃ~☆」のヒロインの海老原ふらい。
俺の嫁…
そうだ…私はアニメがスキだった。
そして特に海老原ふらいのことを「ふらいたん」と呼んで熱愛していた。
…頭がぼーっとする。
自分のスキだったものについての記憶なのに霧がかかったようにおぼろげ。
その霧が徐々に晴れていって今のことを思い出した…
そんな感じ。
私はしばらくふらいたんを見つめて記憶を探っていた。
その様子を彼女は不安そうに見つめていた。
「ありす!僕の顔ちゃんとわかる…?」
「ふらい…たん。俺の嫁…」
私はそう言って彼女を抱きしめた。
そう…私はふらいたんをこうやって抱きしめるのが夢だった。
「ありす~!よかった」
彼女も私の体を抱きしめてくれた。
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