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真夜中のラジオ文芸部×執筆応援キャンペーン「本/図書館/本屋さん」

大賞

文字のない世界の“人型記録媒体”エフェメラ。主人公は彼女達を貸し出す図書館で働くトウ。ある日、無印のエフェメラの秘密を知ったトウは、自分の運命が変わっていく。困難を乗り越えるため、“物語の主人公”のように考えるトウ。社会の仕組みや文化まで丁寧に組み上げられた世界です。日々の憂さを忘れ、物語に没頭する幸せを感じました。流れるような文章で、なぜ社会に「物語」が必要なのかを真っ向から問いかける作品です。

準大賞

売れなかった作家の幽霊が集う書店。「作品の続きを一緒に書いてほしい」と頼まれる書店員のハルカ。「幽霊作家のゴーストライター」というフレーズが秀逸です。再会をやり直すためにデートの再現につきあうなど、彼女は大奮闘。著書が売れれば成仏というルールが、動機づけになります。創作の苦しみ、読者の喜びが作家の報酬など、死後も変わらない。キャラの目的が明確なので、感情移入しやすいストーリーです。

入賞

作品全体に溢れるエネルギーの熱量がすさまじいです。惚れ込める本に出逢えた少年の全力疾走感が伝わってきます。時間を忘れて作品の世界にのめり込む。まさにタイトル通り、愛読書と過ごす時間は、恋愛に似た気分かもしれません。運命の1冊からシリーズ全巻、やがて他のシリーズにも手を伸ばす。読書の楽しみ、ここに極まれりです。小説技法としては未熟さもありますが、すばらしい“ボーイミーツブック”が描けていました。
女子大生の愛佳が京都の図書館で見つけた気になる青年、静嵐。教授から頼まれ、彼に話しかけようと葛藤する繊細な表現が巧みです。人物の動きや心情描写を駆使してストーリーを進めています。台詞が少ないからこそ「俺は消えるんだ。もうすぐね」という静嵐の衝撃的な言葉に驚かされました。危うい存在の彼を救おうとする愛佳。読みやすくエレガントな文章も素敵です。全体は優雅なトーンなのに、激しい運命のドラマを感じる作品です。
「姉貴の幸せは本にしかないから」。そう言われるほど、恋愛に失敗続きのヒロイン。傷心のまま帰郷し、親友の和美の献身でなんとか立ち直る。運命を感じる男性と出会い、新しい道を歩むが……。「女性慣れしていない」と見せて、じつは百戦錬磨の男の描写がリアリティ抜群。男運のなさを容赦なくイジる家族もユーモラス。タイトルがダブルミーニングだったラストも含めて、楽しい時間が長く続く作品です。
ヒロインは転校早々に幽霊図書と遭遇。「友情がテーマの本」を尋ねて、古代ローマの哲学書を薦めるズレっぷり。でも、その行動には意味があった。ヒロインは過去にとらわれていた自分を解放します。図書委員になった彼女は、本が苦手な生徒と、本との“橋渡し役”になる。それは現役の司書にも、幽霊司書にもできない、同級生ならではのアプローチでした。今後も図書を通じてヒロインが成長していくのを見守っていきたい作品です。

佳作

書店員の綾乃は自分に自信がない。人見知りだから無機質な声で接客。そんな彼女には、気になる男性客がいる。相手も綾乃を意識していた。相思相愛でもお互いにゆっくりと近づいていく。時間をかけて、着実に交流を深めます。そんな2人の媒介となるのが本。オススメ作品を読んで、感想を伝える。SNSなら簡単にできる行為が、対面だと勇気が必要だと教えてくれる話でした。爽やかで、ホッコリできる純愛ストーリーです。
タイトル通りの台詞で、司書から勧められる「悪い本」。別ジャンルの5本の短編が読めます。テーマはファンタジー、青春、コメディ、ホラー、恋愛です。ダークな世界観、唐突に訪れる不条理、主人公が抱える闇……など、それぞれに「悪い要素」が詰まっています。タッチも変えていて、文章が達者です。暴力的ではない「恋愛」作品に、もっとも怖い印象を持ちました。本編も最後までブラックテイストで楽しませてくれます。
年上で優しい彼氏の音無に別れを告げられる光。彼の新しい恋人は、男性。親友の明子がアシスタントをしている作家、相原優。元々、音無が光とつきあうようになった理由がショッキングです。作中で、光や明子が行うBL小説分析も見どころのひとつ。作者はともかく、作品は好きという姿勢は好感が持てます。本来、いくつも修羅場が生まれそうなシチュエーションを、大団円にまとめられているのは、ヒロインの魅力によると感じました。
本を置いていない本屋。客の好みに合わせて、AIが作品を書いてくれる。このアイデアが秀逸です。店のシステムについて、細かい部分まで練られています。お任せ注文が短時間で仕上がり、筋書きを指定すると時間がかかるのはリアル。さらに劇中作のストーリーも丁寧に組まれています。この店との出会いによって、刺激を受けたヒロインは大きく変わります。とくに後半は、王道の人間ドラマにまとまっていました。
祖母の遺品整理の最中に見つけた「時の守り人」という本。子供の頃に夢中になった書物が、25歳になった結衣にとって今も、悲しみを忘れる存在として役立つ。久しぶりに集まった家族の団らんを丁寧に描いているからこそ、非日常パートに移る演出が光ります。本当に“時の守り人”がいる世界に飛ばされてしまう結衣。現在、大切な人を孤独から救うために奔走中です。優しくて温かい世界をソフトなタッチで描いている作品でした。
主人公が偕老堂書店に通う理由は、店員の山田さん。「今日こそは告白」と意気込んだら、次々と邪魔される展開がユーモラスです。お見合い話に対応する山田さんの返事が、彼女の状況や、恋愛の姿勢の説明になってるのが上手い。ひょんなことから「恋人役」になり、愛を育んでいく。繊細で滑らかな文章は、とても読みやすいです。書店を舞台に、善男善女の出会いからカップル成立までをストレートに描いた秀作です。
タイトルがない……。そんな謎の本を探す者たち。主人公の士郎もその1人です。インターネット全盛の時代でさえ、タイトルのない本を探すのは至難の業。そのうえ、いわくつきらしく、見知らぬ男からは本を手にするのは危険だとほのめかされます。アイテム探しというわかりやすい軸で物語を引っ張る。会話に冗長な台詞がなく、読みやすい。連続殺人事件が起きている事実も明かされ、今後の展開が楽しみな作品です。
人を人たらしめるものは何か。壮大な問いかけが、読書とつながる作品です。地球温暖化に対する地下都市インブリアム。唯一の本屋で暮らす主人公エムデバ。平穏な生活は“アンノウン”の少女が現れて崩れ去る。イノリは聡明でキュート、かつ勇敢な少女。態度はそっけなくても芯は優しいエムデバは彼女を守ります。すべてを上層部が決めるディストピアで、少年と少女は真相や未来を掴めるのか。続きに期待しています。
人の声に色がついて見える共感覚の持ち主、弥生。色の飛び交う空間から静かな図書館へ逃避する。そこで、百瀬と出会います。彼の声は黒一色。なぜなのかと他人にはわからないポイントで悩む弥生。その理由は百瀬の抱える秘密と直結していました。苦しみは共有できなくても、読書は弥生も共有できる世界です。わかりあえたと思えた中盤、さらなる百瀬の闇が判明。そこから豊かな色彩あふれるラストまで目の離せない作品でした。
まずタイトルがイカしています。豪華な図書館に詰め込まれた蔵書の山。そのすべてが同じ本。集う勇者ギルグッドの血を引く者たち。めくるめく不思議な世界を構築しています。でも、実際に現れたのは薬学専攻の学生、農家の主婦、少女……。100年に1度、竜を封じ込めるには頼りないパーティです。ところが、意外にも彼らは得意分野を発揮し、チームワークも高めていきます。図書館の謎も徐々に解かれ、先が楽しみな作品でした。
帰宅後、温くて不味いビールを飲み干す。ノートパソコンを“ランチョンマット”代わり。すべてが満たされなくても、潤いのある生活風景を描けています。大学で出会った作家の卵アマネ。同棲した主人公は、当初はアマネという女性にも、彼女が書く作品にも惚れているのではない。彼女の生き方に惹かれている。結果も対価も求めることなく、「僕がしたくてしたことなので……」とサラッと言える主人公の姿勢に共感しました。
ヒロインは司書の朋恵。少年に「ひとつだけの本、ある?」と尋ねられ、彼女は12年前の出会いに思いを馳せます。急死した友の随筆を読み、泣く男。その随筆こそ、少年が求めていた1冊でした。想いの詰まった本は読者を惹きつける。脈々と読み継がれ、人と人をも結び付けていきます。流れるような筆致で、スラスラと読めました。図書館は、人と本が出会う素敵な場所だと再認識させてくれます。
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「真夜中のラジオ文芸部×執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞作品は「真夜中のラジオ文芸部」にて一部朗読&副賞として、パーソナリティ3名のサイン色紙をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 あなたの小説を、有名声優に朗読してもらえる大チャンスです! 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
第九回目のテーマは「本/図書館/本屋さん」です。
・新人作家のデビュー小説を読んでみたら、昔書いた小説と酷似していた。どういうこと? ・司書の女性に恋をした。彼女の好きな本を読もうとしたら、苦手なホラーばかりで…。 ・名物店長のいる本屋さん。彼がお店に貼りだした、お客へのある「お願い」とは?
など、「本/図書館/本屋さん」のいずれかが出てくる小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
・募集期間: 2019年4月29日(月)12:00:00 ~ 2019年6月30日(日)27: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年8月下旬予定
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・「真夜中のラジオ文芸部」にて、作品の一部朗読※1 ・「真夜中のラジオ文芸部」パーソナリティ3名のサイン色紙プレゼント ・完結後に特集掲載※2 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※2 入賞 5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品以上 ・作品へのアドバイス ※1 朗読対象部分の選定、及び編集は、エブリスタ編集部にて行います。 ※2 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字を読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びにエブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。
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