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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第192回「騙された!」
 テーマがテーマだけに、こちらも最初から疑いを持ちながら読み進めてしまうのですが、受賞作はそれでもなお「騙された!」と驚かされる力作揃い。“上手に騙される”読書の快感を存分に味わえる、楽しい選考となりました。  またオチ自体は予想の域を出なくとも、構成や緩急など、物語そのものでしっかり楽しませてくれる作品も多く、非常にハイレベルな回だったように思います。

大賞

孫と勘違いされていることを利用し、独居老人の家に度々上がり込む男。家主の不在日を聞き出した彼は――。巧みな叙述トリックに、思わず声を上げてしまいました。読者や登場人物の先入観を上手く利用した構成がお見事です。気持ちの良い「騙された」感と、冒頭からは予想もしなかった読後感を味わうことができました。

準大賞

会社が倒産し失意の主人公に、悪友が持ち掛けた儲け話。それは化け物を捕まえると1000万円という眉唾物だったのだが――。緊迫した冒頭で一気に物語に引き込まれ、スピード感と緊張感にドキドキしながら一気読みしました。湿度の高い恐怖と畳みかける絶望感に、こちらまで飲み込まれるような心地がします。

入賞

該当なし

佳作

町興しに無人島を利用できないかと所有者に会いに行くと、あっさり承諾された。同僚はそれを訝しむのだが――? 二転三転する状況に、ハラハラドキドキしながら読めました。緊張の走る展開もあり、読み応え抜群です。お互いの弱みを知りつつそれを利用する、息の合った主人公コンビに素敵なバディ感がありました。
初恋の人と付き合うことになった主人公。ところがその日の内に、自ら別れを告げて? 恋する主人公と、その初恋相手の天然さにほっこりしますが、冒頭に別れが示唆されている。何が理由なのかと思ったら、見事に騙されており、ショックを受けました。転んでもただでは起きないヒロインの強かさといい、最後まで主人公と気持ちがシンクロしてしまいます。
アウトローな叔父に憧れ、自身も彼の詐欺に加担してしまった男の回顧と告白。語りかけるような文体で自然と物語に入り込むことが出来、重層的に仕掛けられた罠に見事に騙されました。年若い主人公を想う大人たちの策略と、大人になったからこそそれに気付けた主人公の姿が、温かな余韻を残してくれます。
父がリストラされ、母の実家に移り住んだことで、念願の一人部屋を手に入れた。けどその部屋の押入れからは夜毎、何者かのひそひそ話が聞こえてくる……。真実を混ぜながら人を不安にさせる鬼たちに、こちらまで疑心暗鬼にさせられ、モヤモヤします。しかしそれを振り切る主人公の一喝が気持ちよく、心の成長を感じられました。
ケチで有名な外食チェーンの社長が、高額な召使ロボの導入を検討しているという。レンタル料の話をせず、デモ機の貸出を了承する主人公だが……? 浮足立った営業マンが泣かされる話かと思いきや、営業所長の登場によりストーリーが見事に転がっていきます。やり手上司の手腕で社長を見事に打ち負かす展開にスカッとしました。

超短編賞

井戸の中で暮らすカエルを揶揄うハチ。カエルはハチにどこまで行けるのかと問い、「自分は月に触れる」と言うのだが? やわらかな文体で綴られる童話。微笑ましいやりとりに絵本を捲っているような気持ちで読んでいただけに、ラストは唖然としてしまいました。

続きが読みたい賞

閑古鳥が鳴く探偵事務所にやってきた久しぶりの依頼人は、探偵の幼馴染。彼は息子が自分に似ていないことから、妻の不貞を疑っていた。幼馴染を妬みつつ仕事をこなす主人公に親近感があり魅力的。大団円と思いきや、小さな秘密に溜飲を下げる姿もくすりと笑えます。彼が他の事件を解決する話も読んでみたくなりました。

トンデモ賞

創設者もスタッフも全て詐欺師で、来場者を騙してくるテーマパーク“詐欺島”。主人公はある目的を持ってそこを訪れる。冒頭の設定からして「なんじゃそりゃ」と思いつつ、詐欺から身を守るためと言われると、なんとなくありかもと思ってしまいます。主人公の目的や結局騙される様もシュールで、特にマスコットの設定には笑いながらツッコまずにはいられませんでした。

優秀作品

恋愛 完結
13分 (7,608文字)

ホラー 完結
11分 (6,148文字)
スケジュール
・応募期間:2023年2月8日(水) 12:00:00 ~ 2023年3月12日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年5月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第192弾です。 今回のテーマは、「騙された!」です。 どこかに必ず「騙された!」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・被害者が誰も騙されたことに気付かない“伝説の詐欺師”。しかし「騙された」と主張する人物が現れ――? ・祖父が入院したと聞き、慌てて帰郷。けどずっと里帰りしない俺を呼ぶための嘘だったらしく……。 ・テスト前に「全然勉強してないし自信ない」と言っていた友人が学年1位に。仲間だと思ったのに!
様々なサービスで世の中が便利になる一方、詐欺の種類が増え、手口も巧妙化していくのは困りものです。 そんな「騙された!」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第193回のテーマは「最後の○○」です。 本コンテストと平行する形で2023年2月22日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第193回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト