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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第195回「たまご」
「たまご」と一口に言っても、動物の卵や仕事などの新米という意味でのたまご、玉子料理など連想されるものは様々です。明るい未来を見据えて描かれたものや「何が孵るかわからない」という恐怖の対象として描いたものまで、幅広い作品が集まりました。  受賞作は作中のキーアイテムとして上手く用いただけでなく、更に自らの世界観に引き込んだ作品が目立ったように思います。たまごを介して感情が揺れ動く様や中身のわからない不気味さから連鎖するストーリーなど、一捻りされたものが光りました。

大賞

国の四季を守る竜の卵を預かった姉妹巫女。どんな苦境も2人でなら乗り越えられる……。独特の世界感が魅力いっぱいに描かれたファンタジーです。姉妹のほのぼのとした様子と背負っている使命の対比も見事でした。道中の人々との交流、卵への声かけのひとつひとつが優しく、胸に沁みるようです。作中に出てくる食べ物の描写もお見事。総合力の高い作品でした。

準大賞

村に住む不思議な老人と交流を深めていく主人公。しかしある日、老人が謎の卵を温めている姿を目撃し……? 温かな物語が、卵の出現をきっかけに冷たく恐ろしい流れに変貌していく様子にゾッとしました。卵から孵ったものの正体や老人の身に何が降りかかったのかなど、あえて想像を膨らませる余地が残されていることが恐怖を搔き立てます。表現力も高く、情景が目に浮かぶようでした。

入賞

主上の命令により見つけ出した“鳳凰のたまご”。しかし、それは孵化することがなく……? なかなか孵化しないじれったい“たまご”を介し、二人が抱く本当の気持ちが描かれています。たまごからは一体何が現れるのか? 長い間恋焦がれ追い求めていた夢の果て......彼らの今後を更に読みたくなりました。

佳作

母からの「あなたは卵から生まれた」という衝撃的な言葉から始まる家族の愛憎劇。少しずつ歯車が狂っていく過去描写が重く心にのしかかってきます。文字数は決して多くありませんが、その分一言ひとことに込められた感情が重く、ラストシーンを引きたてています。突き落とされるような最後の一文が秀逸です。
気になっていた女の子から、校内で有名な告白スポットに呼び出された主人公。しかし、なぜか料理室へと連れていかれて? 好きな異性の前ではつい去勢を張ってしまう、そんな思春期ならではのあるあるネタに共感します。言葉のチョイスにセンスを感じる作品でした。卵にからめたワードが散りばめられているのが素敵です。
善行を祝福するかのように届く「善意のたまご」。誰から届くのかもわからないこのたまごを、人々は喜びをもって受け入れるのだが……。前半と後半で全く違う雰囲気を持った作品です。善意という言葉でも洗い流せない因果応報。たまごの正体がわかったとき、人が背負った宿業の重さはこれほどのものかと考えさせられました。
ファミレスの裏メニューとして、恋人が注文したポーチドエッグ。しかし出てきたそれは、彼女の思うものとは違ったようで……? おばあちゃんとの思い出を大切にした主人公の心意気に胸がじんわりと温かくなる物語です。地の文の優しさが柔らかい雰囲気を作り出していて、ほっこりとした気持ちになりました。思わずニッコリしてしまうラスト一行は必見です!
都会からやってきた女の子にクラスの人気者というポジションを奪われそうになった主人公は、執拗に、陰湿に、彼女を追い詰める……。小学生だからこその無邪気な悪意が見事に描かれています。嫉妬から生まれたどす黒い欲望がいつしか快感へと変わり、いじめがエスカレートしていく描写がとても生々しく心に刺さります。因果応報のラストに思わず背筋が寒くなりました。

超短編賞

とあるバーでの会話劇。どうやらその世界では、タマゴやタバコなどが過去の遺物となっているようで? 会話と行動が伴わない違和感が絶妙なブラックユーモアのある作品です。将来の自分たちの身の回りのものは何と呼ばれているのだろうかと、思わず考えてしまいました。

続きが読みたい賞

該当なし

トンデモ賞

新社会人として入社式に挑むため、時間に余裕をもって出発した主人公。しかし、電車の中で「紳士」に出会ったことで、歯車が狂っていき……? インテリな紳士の真剣なボケと主人公のツッコミの間に、社会人としての教訓が盛り込まれたサンドイッチのようなコメディ。笑って感心して呆れて、いろんな感情が楽しめる作品でした。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年3月22日(水) 12:00:00 ~ 2023年4月23日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年6月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第195弾です。 今回のテーマは、「たまご」です。 どこかに必ず「たまご」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・今話題の卵料理専門店。誰もが驚き感動するという、スペシャリテの正体とは!? ・魔王を倒すため、日々研鑽する勇者のたまご達。しかし突如、魔王が行方をくらまして? ・ある日を境に、謎の卵が届くようになった。しかも妻はそれを孵化させようとし始めて――。
鳥に魚、爬虫類……多くの生き物が卵から産まれます。食材としても栄養満点、我々の食卓に欠かすことはできません。 そんな「たまご」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第196回のテーマは「また会えたね」です。 本コンテストと平行する形で2023年4月12日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第196回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト