ファンタジー小説特集

今回はE★エブリスタでご活躍のクリエイターさんに、ファンタジー小説をご紹介いただきました!たくさんの作品を読み、書いてこられたクリエイターさんならではの選定作品を、レビューと一緒にお楽しみください。 ★藍沢紗智子さん[リンク] 色とりどりの不思議が織り交ぜられた小説やイラストを描かれています。ご自身の作品と同じく、とても丁寧で細やかなレビューを書いていただきました。 一言「たくさんある作品の中のAが、あなたにとって大切なAになりますように」 ★詠波-UTAHA-さん[リンク] 普段は詩をメインに活動なさっています。驚くほどたくさんの知識で、様々な角度から作品をとらえたレビューは必読です。 一言「私たちのレビューをきっかけに、みなさまがお気に入りの作品と出会えますように☆」

イチオシ作品

冒頭から過去と現実が次第に入り乱れていき、だんだんどちらの世界が本当なのかわからなくなって、異空間に放り出されたような不思議な気分になります。私のお気に入りは、何といってもバトルシーンです。普段は軽口をたたき合うフェリスとシスカだけれど、戦闘になると息はぴったり。強大な敵との絶望的 な戦いの中、やりきれない思いのすべてをすべてぶつけるように戦う二人の姿は、自らの過去の罪を償っているようで胸が痛みました。

レビュアー:藍沢紗智子さん

"勇者になりたい!"という純粋な主人公の願望とは裏腹に、手にしてしまったのは血塗れの剣で……。◇◇非常にテンポの良い、読んでいて気持ちの良い作品です。どこまでもまっすぐな主人公と、回復の使えないヒロイン、料理の上手い残念なお兄さん等々、個性的なキャラクターが際立つ作品であり、きっちりとまとまったストーリーが楽しめる長編でもあります。実際のRPGさながらのMPが関わる戦闘シーンや限られた回復の方法も、あえてそれを小説で書いてしまう所が面白いですね!◇◇更新分が300P程で文章も読みやすく、ファンタジー初心者にもオススメしたい作品です。章ごとに挟まれるimokenpiさん自作の絵にも作品への愛がビシバシと感じられます。
「国家鑑定法の下、二級鑑定士ハイド・テンダリーがホンモノと認めます」◇◇「鑑定士」と呼ばれる存在が国家の命によって世界中のありとあらゆるものを鑑定し、”ホンモノ”と”ニセモノ”を区別していく世界――”ロデュエ”。そこで鑑定士として働く青年ハイドは、立ち寄った宿で言葉の話せない少女と出会う。一方、首都で何不自由ない生活を送っていた貴族の少年エルディは、事件に巻き込まれ”ニセモノ”扱いされ、追われる立場になってしまって……。◇◇テーマの設定が非常に良い作品です。”ホンモノ”と”ニセモノ”の間で葛藤する主人公らに目が離せませんね。700P超えで読み応えのある長編ファンタジー。完結済み。
帰らぬ人を待ち続ける少女”ゆずる”。あの日から壊れてしまった”日常”を過ごしていた彼女に届いたのは、居なくなった筈の人から届いた携帯アプリの招待メールで……。◇◇アプリゲームのクエスト内容が、日本昔話、学校の七不思議、数字の組み合わせ、平安貴族の遊び等、膨大な知的要素を詰め込まれて作られており、そのクオリティの高さに圧倒されます。困難と悪意に満ちた世界に放り込まれてしまったにも関わらず、前を向いて歩くゆずる。人慣れしていない彼女が、徐々に集まっていく仲間と一生懸命に関係を築こうとする様がなんともいじらしいです。◇◇シリーズで2000Pを超える大作。世界観にどっぷりはまりたい方へオススメしたい作品です。
『魔法使いの箒ってさ?飛ぶ為にあって掃除する為のモノじゃないと思うんだけどなぁ』◇◇ウェンズデイ・ノートは箒に乗れない魔女であった。魔法力を持ち、使い魔を抱いて生まれてくる子供が稀に存在するこの世界では、そういった子供たちを集め魔法を教える学園があった。しかし、落ちこぼれのウェンズデイは卒業間近になっても箒に乗れず、卒業要件さえ満たせるか危うい。そこでウェンズデイが考えたのは……。◇◇海外の翻訳モノが好きな人にはたまらない作品です。ウェンズデイとその使い魔”ロロ”のテンポの良い会話(口論?) に思わずニヤリとします。箒に乗れずに×××で空を飛ぶ魔女にきっと貴方も驚かされます。更新分100P程度です。

レビュアー:詠波-UTAHA-さん

家事がまったくできない葉月に、まるでお母さんのようにあれこれと世話 を焼く紺(コン)がもうとにかくかわいい!紺が作る料理はどれも本当においしそうで、和食に洋食、食後のデザートもお手のもの。私の家にも、ぜひ来て頂きたい(笑)人間の生活に慣れずに失敗する紺にくすっとしたり、人間と妖狐という種族の間で揺れうごく紺の悩みを知って切なくなったり。二人の笑いと食欲(!)にあふれたほのぼな日常にとてもなごみました。
例えば、ひっくり返したスノーボールの中に舞う雪を、じっと眺めるような。ふと立ち寄った美術館で出会った一枚の絵になぜか魅かれて、絵の前にずっと立ちつくしているような。そんな、幻想的でキラ キラと輝く不思議なお話が集められた短編集です。2ページ前後の短いストーリーは、どれも独自の魅力を放っています。1ページ目から順番通り読んだり、なんとなくタイトルが気になった作品を読んだり。自分の自由なスタイルで楽しめる作品だと思います。
冒頭から過去と現実が次第に入り乱れていき、だんだんどちらの世界が本当なのかわからなくなって、異空間に放り出されたような不思議な気分になります。私のお気に入りは、何といってもバトルシーンです。普段は軽口をたたき合うフェリスとシスカだけれど、戦闘になると息はぴったり。強大な敵との絶望的 な戦いの中、やりきれない思いのすべてをすべてぶつけるように戦う二人の姿は、自らの過去の罪を償っているようで胸が痛みました。
犯罪者を始末する断罪者・隼人と、運悪くその標的となってしまった香奈。狩るものと狩られるものという奇 妙な関係の二人が向かう先には、いつも危険が待ち構えています。息つく間もない攻防の中で、彼らは常に問いかけてきます。『正義とは何か?』、『人は、人を裁く権利があるのか?』と。個性的で魅力的なキャラクターの断罪者たちが、それぞれに持つ正義。異なる正義がぶつかるとき、彼らはどんな道を選ぶのか。最初から最後まで、目が離せません!
パッと見は平凡そうなのに、ピンチのときはめちゃくちゃ強い頼れるおじさまって、かっこいいですよね!そんな私のツボをいくつも押さえた中年騎士・クレスがお仕えするのは、昔からずっと恋こがれた王女…ではなく、彼女にそっくりの幼い姫君。クレスが抱く複雑な心境が哀しくも微笑ましくもあり、二人の今後が気になってしかたがないです。カッコいいおじさま好き、愛らしい少女好きの方にはたまらない作品ではないかと思います。

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