朱鷺色の空に
――昭和初頭―― 数百年に渡る武家の血筋である秋田家の御曹司、秋田希久親(あきた きくちか)。 雪化石膏(アラバスター)の如き純白の肌と、黒曜石とも見紛う深い煌めきの黒瞳、線の細い端麗な顔立ちの彼は、