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甘い傷の数だけ夢は連なる──

小説 恋愛 ラブコメ

+13kid短編小説集+ 陰と陽 <Yin and yang>

甘い傷の数だけ夢は連なる──

13kid

(1)

独りよがりな思いと、一方通行な思い。サイズに合った思いはどこにあるのだろう?

完結

7ページ

更新:2016/11/25

説明

永遠に完成しない往復書簡をやり取りする様な、課長と私とのやり取り。
「だって今週会えるって言ってたのに…」
口にそう本音出したって、彼にそう書き込めるわけがない。
「お仕事、頑張ってください。待っていますーー」
「既読」だけ帰ってくる日々。
後輩の香川は毎日ちょっかいを出してうざいばかり。
私の聖域のスマホいじりにまで「侵食」してきた。
スマホで小説書いてウサ晴らしすることは、私にとって最高のストレス解消なのに。
課長にLINEを送っても「既読」ばかり。
その憂さを晴らそうと誰も読まない独りよがりな小説に情熱を傾けようとしていたら…

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作品レビュー

あおい 千隼
あおい 千隼さん
【作品】13kid短編小説集についてのレビュー

ネタバレ

レビュー失礼致します。
(応援)

シリアスな、心からの叫びを訴えるようなお話ですが、随所に散りばめられたユーモアにハマり、ページをめくる度に笑ってしまいました。

と、ここから本題に入りたいと思います。

主人公には、心から焦がれる上司がいます。ですが彼に想いが届くことはございません。
その想いを昇華するために、Web小説を投稿することが、唯一の捌け口であり心の拠り所でもありました。

上司にLINEを送ろうと、返るのは既読表示だけ……
益々主人公の心は病弱してゆきます。

もうひとつの特技としまして、主人公は想いを妄想に転化することが、得意としております。
残らないデータよりも、1枚の絵葉書を……
主人公の欲しいものは、目に見える存在ではなく、手にすることの出来る現実なのかな、そう感じました。

主人公には、中等部の頃からの後輩がおります。
その彼は、ことある毎に主人公の許を追いかけ、終いには就職先にまで現れました。
彼の存在は煩わしく、それがまたストレスになってしまいます。
投稿という楽しみにまで、彼は侵食してきました。

小説に幾度も贈られてくる応援。
それは重なる内に、ストーカー染みたように感じてしまいます。
狂気じみた内容のレビューまで届き、とうとう楽しみである小説さえ手放してしまいました。

焦がれた上司の婚姻。
すべてが無味乾燥となった主人公は、それでも祝いの花を贈ろうとします。
辛く悲しいときに笑顔を向けるのは、何よりも難しいこと。
それを敢えて実践する主人公に、胸がつまされてしまいました。

後日譚では、主人公が投稿していた熱烈なファンが明らかになりますが、それはどうぞご自身でご確認下さい。

作者様のお話は、心に直接語りかけてくるような、文芸的な表現でいらっしゃいます。
言葉遊びのような表現の数々。
それを紐解きながら拝読するのも、楽しみのひとつではなでしょうか。

素敵なお話でした。
優秀作品の受賞、おめでとうございます。

有り難うございました。

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2016/11/26 20:59
コメント(5)

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