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餅巾着さん [「僕と23人の奴隷シリーズ」へのレビュー]
2014/8/11
私は、僕と23人の奴隷が大好きです。
東京23区と言う実際に現実に存在しているものを舞台とし、SCMと言う非現実的なのにどこか本当にあるのでは無いかと思わせる非人道的な実際には存在してないであろう機械を絡ませた複雑なストーリー。
そして、登場人物。
1人1人に細かく設定があり、現実にはあり得ない機械を巡ってぶっ飛んだ思想や行動を披露しながらも、何気ない仕草や深い葛藤までを細かく描写されており、本当に存在しているかのようなリアリティがありました。
現実と非現実の見事な融合を果たし、まるで自分が作品の世界の中で、登場人物達のすぐ側で幽霊のように傍観しているような。
携帯から閲覧していると言う現実を忘れさせるような。
そんな世界観が、とても魅力的で好きでした。


だからこそ、今回のこの続編はとても残念なものでした。

まるで、エイアの高潔さを描く為だけに作られたようなストーリー。
そしてそのストーリーを完成させる為だけに動かされていると感じてしまうようなキャラクターの薄さ。誰もがエイアは素晴らしい、エイアは魅力的だと褒め称えているだけ。
前作での世界観やストーリー、物語で最重要なキーであるSCM、個性的な登場人物達、そしてエイア。
その全ての魅力がこれ程までに無くなってしまうものなのかと、愕然としました。

今作にどうしても魅力を感じられなかった最大の要因。
恐らく、作中で数々の人を魅了し、作中でSCMからの解放のキーとなった"エイアの歌"。
これが、文字だけで成り立っている小説とではどうしても表現しきれないものだったからだと思うのです。
耳で聞いて目で見る。身体で感じて初めて心に響く歌を、聞くことも見ることも出来ない小説で、魅力が理解出来ないまま多大な評価を受けている。そしてそれが物語随所・果てには最も重要な部分のキーであった事が、私には受け入れられるものではありませんでした。

幼稚で独りよがりな感想を長々と失礼いたしました。
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