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世界が鼓動を止めるとき

小説 ファンタジー

世界が鼓動を止めるとき

‡刹那の恋‡

交錯する二つのセカイ――少年は真実を求め戦った。少女は理由を求め戦った。

休載中

3ページ

更新:2010/08/11

説明

パキッ―パキッ――
 
 
黒皮のブーツの踵(かかと)が、焼け焦げた木片を踏みつけ、乾いた音が響く。
爪先は転がる瓦礫に当たり、黒のブーツは気付かぬうちに、煤焦げた灰色に染まっていた。
 
黒衣の懐に携えられた剣の鞘を握り締め、少女は眉をひそめたまま歩みを進めた。
腰までかかるであろう長い黒髪は後ろで束ねられ、凛とした顔つきは精悍な戦士の風格を漂わせている。
 
舞い上がる土埃(つちぼこり)を吸い込み、少女は一回、二回と小さくせき込んだ。
 
そのうっすらと濡れた紅い瞳に映るのは、焦土と化した一つの街の姿。
倒壊した建物の残骸から見て、かつては大都市であったことは容易に想像できた。きっと、人も沢山いたのだろう…
 
「そっち、生存者は?」
 
後ろから歩み寄る、少女の仲間らしき若い男の声に、少女は振り返った。
 
そのたなびく艶やかな黒髪は、くすぶる炎を反射してオレンジに染まっている。
 
 
「――いや…いない」
 
もう一度周囲を見渡して、少女は応えた。
 
 
-2012年12月21日
PM19:02 首都:東京-

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