小説 ホラー
あなたの携帯にドクロマークはありませんか?
完結
あなたの携帯のディスプレイに、ドクロマークはありませんか?
もし、あるのなら……その後に届くメールに気を付けて下さい。
その命令に逆らえば、死ぬ。
これは都市伝説か。それとも――
ネタバレ
一般的なホラーは読み終えた後にトイレに行けなくなったり、シャワーで目を閉じれなくなるなどの恐怖心が芽生えますが、この作品に関してはなぜか安心感を覚えました。それは決して悪い意味でなく、しっかりしたストーリーとひでもこさん十八番な伏線の回収が行われているから、良くありがちな『解決しないホラー』とは違います。ではホラーとしての怖さはどうかと言えば、例えばキョウヤや両親の死などはナオヤにとって有り得ない恐怖であり、読み手も『これ、もしかしたらみんな死んじゃうのか』的な絶望感に襲われます。映画やドラマみたいな視聴覚に訴えるものではないので、この『身近な人間が次々と死んでいく事に対する焦り・絶望・恐怖』がイメージとして強く伝わるのも作者の表現力の素晴らしさです。
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ネタバレ
正直、ホラーは恐いので、苦手で嫌いなのだが、本作品は怖いながらも生とは何か。死とは何か。友情とは何か。人を想うとは何か。ということを考えさせられる作品。人間とは、時に弱くずる賢いが、時に強く知恵を沢山持ち、いざという時には闘える存在だ、と本作品を拝読して思えた。強さとは何か。人ならざるモノの前でも心が折れても復活する勇気。守るべきモノがあるからこそ、守れる事が出来る。それは、思い人でも有れば、託された想いでも有る。人ならざるモノに、何の力が無くても、自分の信念の元に自分なりの闘いをする主人公と支える相棒に恐怖よりも感動が打ち勝った。ラストは涙なくして読めない程だった。私にとって本作品は、ただのホラー作品では無い。人間の正負の感情や信念や情愛など様々な人間ドラマという作品である。
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