このページのリンクアドレス

エブリスタ
メビウスの夜明け

小説 恋愛

メビウスの夜明け

沢市さとみ

(9)

加害者×被害者。新婚さんいらっしゃい

完結

179ページ

更新:2016/11/27

説明

事故で顔面に傷を負った少女、和泉と加害者・千都の奇妙な結婚生活が始まる。


何故断れなかった。何故受け入れた。


愛もない、興味もない、マイナス以下でも、二人は夫婦なのである。

この作品のタグ

作品レビュー

五丁目光佑
五丁目光佑さん
【作品】メビウスの夜明けについてのレビュー

ネタバレ

タイトルも大切な作品の構成要素である。タイトルが主人公の人生やテーマをズバリ言い表していたり、ミステリーだと、タイトルを逆さに読んだら事件の真相だったなんてお遊びもある。
メビウスとは何か? 主人公・千都は事故によって一人の女子高生・和泉の顔に傷をつけてしまう。そしてあろうことか、千都は和泉と結婚させられるのである。こうして、事故の加害者の千都が同じく人生の被害者になるというメビウスの輪が出来上がった。
しかし、人はメビウスの輪という異空間では生きられない。ならばどうするか?
和泉を愛してしまえばいいのだろう。でも和泉は料理といったらしゃびしゃびのカレーくらいしか作れず、いつも夫より遅く起きて、作者いわく「クソ生意気」でわがまま、そしてもちろん千都のことは全然タイプじゃないと言う。対する千都も、被害者意識で暮らすことしか出来ず、和泉に対しては、「君じゃ勃たない」とまで言い放つ。
こんなメビウスの輪は早々に壊れるしかない。ところが千都は、壊そうとはしなかった。おいおい、である。実は二人とも不器用で、メビウスの輪に取り込まれた運命を彼らなりに受け止めていた。
千都の選択は、離婚して加害者の側を選ぶことでも、自分を殺して被害者の側を選ぶことでもなかった。メビウスの輪をただの輪にするのではない。すなわち、メビウスの破壊でも解決でもない。彼が選択したのは、まさに、夜明けなのだ。
読み終えて、改めて、このタイトルはうまいなあと思う。タイトルでもう一度感心させられると、読者としては得した気分になる。
ちなみに和泉ちゃんには、作者の「イラスト集」の中で会える。作者は毒しか吐かない生意気な女っておっしゃってるけど、なかなかかわいい子じゃないですか!

もっと見る

2016/02/27 07:49
コメント(3)

沢市さとみさんのその他の作品

この作品が入っているマイリスト

この作品の参加イベント