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第1話

小説 ファンタジー

斯く在る可

第1話

つん

初めて行ったことに対してまるで知っていたかのような実感を伴う。


効用関数をご存知だろう..

休載中

2ページ

更新:2014/11/30

説明

初めて行ったことに対してまるで知っていたかのような実感を伴う。


効用関数をご存知だろうか。

灼熱の炎天下、ひたすらに汗を流してようやく飲む水を想像してみるといい。乾いた喉を、干からびた体を潤す最初の一口を。
嗚呼、最高だ。えもいわれぬ多幸感。筆舌に尽くしがたいものだろう。

・・・だが、それだけだ。
続く二口目では、最初の感動は抱けない。むしろ、続ける度に高揚感は増すどころか徐々に失われていく。

心の充足は欲求の緩和に繋がり、そして効用は薄れるということ。



では、どうだろうか。

未体験の行動を先刻行ったかのように思い出す場合。
既知ではなく未知。間違いなく初体験。にも関わらず思い出した。忘れていた? 勘違い? いや違うはず。そんなものはただの既知感だと。
未来予知とは、訳が違う。明日が見える訳でもなく、一秒先だってわかりはしない。
だけど、その時点における思考や感情すらも、後から経験していたと気づく。
まるで一秒先の世界をリプレイしているような妄想の類だ。


だけど、考えてみてほしい。
何気ないことから大切なことに至るまで、日常を繰り返しているとしたら?

何一つ初めてがない。
虚構で塗り固められた今に、空想の産み出された過去、まだ見ぬ明日にならない未来。
空虚で、欺瞞で、不確かで。何が本当で、何が嘘なのか。
他人なんて当然、友人や家族も信じられない。そして何より自分すらも。


こんな風に考える。
たったそれだけで世界が色褪せて見える。



では君に訊ねたい。

そんな世界で果たして本当に,生きている,と云えるのだろうか?

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