このページのリンクアドレス

エブリスタ
あの月に、もう一度。

小説 ヒューマンドラマ

現代社会を覗く

あの月に、もう一度。

吾妻栄子

(4)

全てを失った女性の心の軌跡

完結

17ページ

更新:2016/05/24

説明

陥れられて全てを失い、マスコミに追われる若き女性科学者。
彼女が最後に取った決断は……。

*他サイトとの重複投稿です。

この作品のタグ

作品レビュー

thruu
thruuさん
【作品】現代社会を覗くについてのレビュー

ネタバレ

どうやってレビューを書こうかと悩んだのですが、イベントやサークルの趣旨は『理不尽』にレビューをすると決めていました。

なのでこれは、一読者として、素直に思ったことです。

まず、1ページめから慇懃という言葉が分からず、つまづくという間抜けことになっていまして、結局調べたところ、なるほど!と、ひとつ賢くなったような気持ちで読み始めました。

こんなのがレビューしても大丈夫だろうかとビクビクしつつ、なんだか難しそうだぁと先入観を持ったまま読み始めました。

けれどそんな心配は無用でした。すすっと読めてしまう。

それは、すべての流れが自然で、心情や情景が感じられて、知らないうちに引き込まれていたからでした。最初に感じた難しそうというイメージは、すぐに消えました。

読み進めると、あの事件を題材にするなんてと、驚きましたが、あれだけ騒ぎになったこともあって、おお!と食いついてしまう。

率直な感想は、もっと読みたい。というのが正直な感想です。

最後の1ページの手前になって、次のページで終わりだと知った時に焦ってしまうほどでした。

そう思うのは、思っていた以上に引き込まれて、感情移入してしまったからだと、しばらくしてから気がつきました。

そして最後の主人公の心情にはどきりとしました。私には考え付かないという思いと、そういう考え付かないことを目の当たりにするのは、面白いということをあらためて感じたからでした。

読み終わって、まだ余韻が残っているのは、読みながら情景の中で様々に現れた『青色』が私の脳内に残っているから。

この感想を考えるときは、青灰色や、リボンの水色や蒼白い月の光や、そんな色を思い浮かべながら書いていました。

作品の構成や、文章や、題材、ラストまで、少しの無駄のない完璧さに、すごい!という以外に言葉が見つからないのです。


他にも書きたいことはあったのですが、まとめられそうにないので、レビューはこれにて終了です。

あらためまして、イベントの参加ありがとうございます!とても勉強になりました!

もっと見る

2015/04/26 02:08
コメント(3)
autumn
autumnさん
【作品】現代社会を覗くについてのレビュー


「あの月に、もう一度。」

まずはその発想力に心でう~んと唸りました。
世間を大きく揺るがした社会問題と政治問題を大胆に掛け合わせてますね。

内容は少し変えてますが、FS細胞の案件を綴りながら騒動の発端となった研究者の傷心した目線から社会、研究所、マスコミに対する批判と嘲りが読み取れ

日頃から彼女の行く末を案じてた読者としてはとても興味深い内容でした。

実は彼女の口から明かせないいくつもの事情や真実が隠されてるのではないだろうか。
国民も容易に想像できる部分ですね。

脚色が真実味を帯びてるのは、説得力の高いスキルと気品味溢れる文体の賜物ですね。

そして彼女の死に向かう心の複雑な深層は逸品で感情移入させられました。

次の何より驚いたのは自ら命を絶とうと決めた若き研究者が近くて遠い国へ。
絶望と無念な想いを乗せて海を渡る。

果たして拉致された後、待ち受ける運命とはどのようなものか。

軌跡という言葉に最後は、余韻というより想像力を物凄く掻き立てられました。

例えば、国では居場所を失い抹殺されたとしても間違いなく彼女は佐藤でなはない久保方として、辿り着いた地で歓迎され優遇されるでしょうね。
(社会主義、独裁国家の制度、監視に制限はされるでしょうが)

邪魔になった万能細胞の技術が海を渡った瞬間、科学者としては、自国でなし得なかった新たな解決策を手にしたように思えてならないのです。
結局のところ流失は日本にとって損失で同時に一連の出来事を皮肉っているように感じました。

拉致を肯定するものではありませんが、とても面白く拝読しました。
私たちの問題として、その辺もしっかり認識していきたいですね。

もっと見る

2015/03/25 21:10
コメント

吾妻栄子さんのその他の作品

この作品が入っているマイリスト

この作品の参加イベント