小説 青春
マダム達の集まり
中年女性の葛藤を描いた。
完結
特別、こういった中年以降の閑人に近い女たちの集まりの興味が有るわけでもないのだが、私の連れ合いが飯を作る以外には、大した仕事がない関係か、こういった女ばかりの会に出席したがるのである。そして、私を相手にするかの様に、あの人はむやみに何でも食べたがるとか、良く飲むとか、ちょいちょい聞かされるので、まるで知らない顔ばかりしていることも出来ない。しかし、大抵はあまり本気で聞いているわけではない。
したがって、ここにそれらの方たちの事を一応は書き記すのだが、自分で分らないところは想像して、話を作るので、半分はフィクションである。
というのも、彼女の友達の姿や、顔のかたちも、あまりよく知らないし、お目にかかったことがあるにしても、年取ると皆同じ顔や体つきに見えるのである。子供の頃は一人一人、ちゃんと人が区別できたのに、それが出来なくなってしまった。残念でもあるし、まあそれで良いのだとする気持ちもある。