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第2話

小説 恋愛

四国八十八ヶ所 淫欲解脱旅 

第2話

阿部秀之

 そぼ降る雨の夜、緒方雅宏は町角に倒れていたずぶ濡れの女を助けた。かなりの時間を雨に打た..

完結

31ページ

更新:2015/05/11

80枚

説明

 そぼ降る雨の夜、緒方雅宏は町角に倒れていたずぶ濡れの女を助けた。かなりの時間を雨に打たれていたと見え、全身濡れ鼠だった。歳のころ三十前後の女だった。

 このまま捨てておけば、風邪をひき肺炎を起こすと思った。意識さえ朦朧とした酔いどれである。宥めすかして訊ねると、遠い昔の恋人、嶋木美春の一人娘加奈子だという。

 仕方なく自宅に連れて帰り、風呂を焚きつけ、その間に肌に纏わり付いた衣類を脱がせた。酔っているから思うように脱げない。仕方なく手を貸し剥ぎとる始末となった。その間加奈子は酔いもあって微睡んでいる。

 暫く経って、正気に戻った加奈子が、

「有り難う、緒方雅宏さん。……でも序でかも知らないけど、お尻の穴もアソコも弄ったわね。ママの言う通りど助平えなんだ」

 加奈子に言われるまでもなく「色好み」だった。六十三歳にしては異常なほどである。

 そんな自分に愛想が尽きて、弘法大師にお縋りすべく四国八十八ヶ所参りを思い立ち「淫欲解脱旅」に出ることにしていた。

 加奈子と出会ったのは出発の十日前だった。一番札所霊山寺で発心し、八十八番大窪寺で結願する長い旅路だ。加奈子は母の遺言成就のため付いて行きたいという。それだと断る筋合いはない……。

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