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シニスターの槍

小説 ミステリー・推理

紋章官の家

シニスターの槍

ありす

(11)

誰も気づかない、君の見つめる先

完結

72ページ

更新:2017/09/12

説明

いま一度向き合おうにも、左右の壁が厚く隔たる。

この星を廻り廻れば、やがては道を交えるだろうか。それとも永遠に相まみえぬ背後の影法師か。

道化だけが知る舞台の闇。
誰も気づかない、君の見つめる先。

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作品レビュー

lime
limeさん
【作品】紋章官の家についてのレビュー

ネタバレ

『紋章官の家』シリーズは、毎回とても楽しみに読ませていただいているのですが、今回の『シニスターの槍』は、私の好きな『舞台』が絡んでいたので特に前のめりでした。

このシリーズ。物語の雰囲気や語り口がとても好きなのですが、この癖のあるピエロ(ジャック)が現れた時点で、すでに特別面白くなる予感がびりびり。

自分には全く知識の無かった紋章学ですが、少しずつその存在意義や背負った背景などが見えて来るとともに、物語の中で起こりつつある微細な出来事、ジャックが語る言葉の端々にリンクしていき、ぐいぐいのめり込んでしまいました。

アイアランドの事を語るジャックの口ぶりにはどこかいつもと違う雰囲気を感じたのですが、そのあと後半であのシーンへ行く流れがとても劇的でした。
道化者、真意の見えない謎な存在だったジャックの心が見えた辺りで、じーーんときました。

紋章のシニスターとデキスターと言う、日本人(とくに私)には分からなかったUKの人々のこだわり、(言い換えれば固執?)を見事に反映させた物語。そして新聞やペンといった小物の使い方も素晴らしかったです。

贋作者の戯曲の真偽は面白おかしく楽しんだ人々も、紋章の真偽は笑って見過すことができず、口をつぐんだというエピソードの中に、改めて人々の中に根付いたこの紋章と言う「格式」を再確認しました。

ヘラルド……いや、この物語の語り部である主人公の人柄もとても好みで、このあと彼がまたどんな物語に絡んで行くのか、とても楽しみです。

続きも、また(超遅読ですが)楽しく追わせていただきますね。

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2017/05/09 09:11
コメント(1)
haori
haoriさん
【作品】紋章官の家についてのレビュー

ネタバレ

こんばんは(^ ^) お邪魔させていただきました。


「名前なんてひとつの記号さ。どんな名前で呼ばれたって、オレはオレ。キミはキミ。それで充分だろ?」
これは作中にある台詞です。すみません。勝手にお借りしました。
読了して、この台詞を改めて見返せば、胸がつまります。

「What's in a name?」
これも作中に出てくるものですが、確か2回出てきたと思いますが、その言葉にもまた、読了したいま、胸がつまります。

紋章官の家の出である主人公の彼を、偶然にヘラルドと呼び。そのときから始まった会いあう日々に、ジャックは何事を思っていたのか。そのヒントとなることは作中、至るところに見ることができ、そこから私は、彼が相反する思いの間で揺れ動いていたように読み取りました。そして彼が、揺れ動いた末に出した結論が「He was the lark」――この言葉に集約されているように思いました。主人公に対しての言葉ではありますが、でも同時に、その言葉は主人公と向き合ってきた自分を、また自分の未来をも、決定するものでもあったと思うのです。

…相変わらずわけのわからないことを書いてしまいました。ついつい思いのままに書いてしまうもので(´・ω・`)スミマセン


紋章の左右、そこから派生して様々な左右のこと、それからジャックと言う全編に渡って登場してきた生身の人間(?)がいたことで、これまで見ることのできなかった主人公の新たな側面を見ることができたことなど、色々満載な一作でした。
最後に、素晴らしいお話をありがとうございました(^ ^)

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2017/02/05 19:38
コメント(4)

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