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エブリスタ
蔓延

小説 ホラー・オカルト

悪意シリーズ

蔓延

えにし

(2)

その手は何を掴む為に差し出されたものだったのか……。

完結

216ページ

更新:2016/08/01

説明

ある夜、村でも評判の仲睦まじい老夫婦がほぼ同時にその生涯を終えた。
そして数日後、次は老夫婦を看取った女性が姿を消した……。

この春、高校を卒業したばかりの末次幹久(すえつぐみきひさ)は目的も夢もなく過ごしていた。ある日幹久は人に纏わりつく黒い靄を目撃することになる。

靄は突如となく現れ、意思をもっているかのように蠢いていた。
やがてそれは、幹久が好意を寄せる女性にも纏わりつくようになり……。


※ゾンビものでは御座いませんのであしからず。
また『伝染・悪意』[リンク]の登場人物が一部登場しますが、読まれてなくても特に差し支えありませんが、読まれた方がよりお楽しみいただけます。

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作品レビュー

快紗瑠@11月末まで戦に出ます
快紗瑠@11月末まで戦に出ますさん
【作品】悪意シリーズについてのレビュー

ネタバレ

これは……あまりにもリアリティがありすぎるホラー。
いつ何時。
どこで起きるかも分からない。

白は黒に染まり、透明な水は一滴の汚水で全てが腐りゆく。

そんなイメージが脳内に広がしました。

昔からよくいう「他人の不幸は密の味」といったように
悪意とは、染まっていきやすいもの。

「私はやってないもん。ただ、写メしただけー」
「僕は見ていただけで、それを皆に事細やかに話しただけ」

そう考えてみたら、交通事故や警察沙汰をスマホで撮影する行為だって
自分自身がそれをネタにして皆の注目を浴びたい
自分より不幸な者がいてラッキー
俺じゃなくて良かった……という負の念の塊。

そして自分の記憶を過去に戻すと
トカゲのしっぽを切ったり、虫の足を一本一本むしり取り
のたうち回る姿を「楽しい」と感じ、何度も行ったことを思い出す。

これもまた「純粋な悪意」


私達は、小さい頃から知らぬまに「悪意」を「悪意」と思わず行動し、そこに快楽を見出しているのかも……と、完読した後で、ゾクリとしたものを感じました。

物語の内容以上に…………自分自身も「悪意」に満ちているのだと感じさせられたことが怖かったです。


正直、この物語は自分自身の「鏡」であり、自分も下手したら、『彼女』達側の人間なのでは…………?

聖人君子であっても人間。

人間だからこそ、一歩道を踏み外したら純粋な黒になることの恐ろしさを肌で感じさせて頂きました。

えにしさんらしい、精神的にグッとくるホラー。

最高です。

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2016/08/02 08:17
コメント(1)
沢市さとみ
沢市さとみさん
【作品】悪意シリーズについてのレビュー

ネタバレ

人の悪意は伝染し、数が拡大すればそのぶんオカシイという感覚が麻痺してしまう。作者様が過去何度か目を向け、手を変え品を変え訴え続けてきたテーマを、伝染・悪意から継承してきた形になります。
作中、伝染した悪意のわかりやすい例として、派手な事件や事故を周囲がスマートフォンなどで撮影する場面が挿入されている。今でも当たり前のように「撮影者提供」の文字入りで凄惨な事故現場の様子がテレビで流れたりする。もちろん証拠としてあった方がいいに越したことはないのだけれど、その一瞬、本当に提供心から撮影したのか?ということを、物語は問いかけています。記憶に残しておきたかった、凄いものを持っていると優越感に浸りたかった。人間の些細な闇の部分を切り取って、じわじわと取り巻いていく精神的にくるホラーミステリだなと思いました。

前回から引き続き登場する人物がいる中、やはり三郷瑠奈が印象に残ります。
彼女は悪意を自覚しているだけでなく、積極的に悪意を伝染させようとする働きを行っています。彼女の一連の行動はすべて悪意が広がるサマを見て面白がっている。瑠奈は人間がそんないいものじゃないと知っているのかもしれません。

誰も目をつけない部分に違和感を覚える繊細な気持ちを持った作者様だからこそ、書ける物語でしょう!凄く引き込まれました!

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2016/08/01 12:49
コメント(2)

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