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虚空10000メートル

小説 青春

+13kid短編小説集+ 陰と陽 <Yin and yang>

虚空10000メートル

13kid(回復まで少々お待ちを)

(3)

ーー虚空10000メートルから突き落とされた。そんな仕打ちだった。

完結

17ページ

更新:2016/11/25

説明

眠ってなんかいられない日々の夢中から解き放たれた、ようやく書き上げた作品だった。タイトルは『哀色のアイロニー』。
真友子はそれをアップし終えると愛着あるノートパソコンに向かって一言「おやすみ」と告げ、ようやく眠りにつく…

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作品レビュー

あおい 千隼@低浮上中sorry
あおい 千隼@低浮上中sorryさん
【作品】13kid短編小説集についてのレビュー

ネタバレ

レビュー失礼致します。
(応援)

このお話は、主人公が文庫賞に公募するための作品を、盗作されてしまうという、悪意という暗雲に満ちた始まり方をします。

今般では、Web小説は誰でも始めることの出来る、身近なものでございます。
原稿執筆とは違い、書き上げると即公開する事の出来る、手軽な利便性があります。
ですが、それと同時に作品の盗用という恐れも、含まれているのかも知れません。

主人公は友人に、自作品の盗作を告げると、それならば新しい作品を書けばよいと、そうアドバイスされました。

ですがタイムリミットは後8時間。
その間に一作品を執筆するのは、一朝一夕には参りません。
ですが友人は、盗まれた作品より素晴らしいものを作ればいいと、主人公を叱咤しました。

執筆のために、場所を公園へと移しました。
『哀色のアイロニー』――渾身の作品を超える作品を、僅か8時間で完成させられるのか……
不安は尽きる事がありません。

そこへ、ひとりの少年が現れます。
『おひるねの少年』と称される、所謂ネグレクトを受けている少年でした。
友人は、その子を見るなり、嫌悪感をあらわとします。
少年を自宅まで送ると、母親は男性との情事に明け暮れておりました。
友人は家へと乗り込み、男性を足蹴とします。
母親は少年を忌み嫌いますが、それでも少年は、母親を守ろうとする……
とても悲しい事ではございますが、けれども実際に無くならない事実でもあります。

残り時間は4時間。
少年の家を後にした主人公たちは、様々な思いを語り合います。
もう諦めようか……
これは現実問題として、非常に苦しい事だと思います。
主人公の言葉は、ですが友人にはちゃんと届いているのでした。

『虚空10000メートル』というタイトルは、一万文字とかけているのでしょうか。
文章を正しく読み解く者が、どれだけいるのか。
まるで作者様の思いが、この作品にせめぎあっているようにも取れました。

一万文字にこめる思い。上空から飛び立つ葛藤。
読む方により、このお話は幾通りにも形を変えて、思いを伝えてくれるのかも知れません。

有り難うございました。

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2016/12/08 21:41
コメント(1)
柳瀬奏風@Yanase Kanata
柳瀬奏風@Yanase Kanataさん
【作品】13kid短編小説集についてのレビュー

ネタバレ

(応援)――下から見上げる蒼空は、何もかも掴める夢ばかりが広がっている――

……さて、物語は主人公が盗作されたところから始まる。有り得ないが、これもWEBの哀しい真実で、作者お得意の情緒的であって、ちょっと尖っているような心情描写が心地良い。

「虚空10000メートルから突き落とされた、そんな仕打ちだった」

しかし、友人が

「虚空10000メートルから突き上げる」

で、また主人公は作品へ戻ろうとする。しかし、ネグレクトの少年を見つけて、現実と現実の中のWEBの現実がリンクしていく。


〝大人になったらさ。自由になると思ってたら〟
〝得たものを失うことが定めいた……〟
〝愛の矛盾だらけじゃないか〟


(いい加減自分の言葉で紡げよ。足で歩いて行けよ)

……基本的に主人公は優しい性質か、「許さない」ではなく、摸倣した相手の出来無さを嘆いているところが、なんとも……。

この子はきっと、現実逃避で作品など書かない。
虚空10000メートルなんて形容するくらいだから、志はきっと高い。現実を見て、嘆いて、盗作されて嘆いて、それでも、友人を想い。自分の言葉でしっかり歩いて行くのだろう。

今日の体験も、彼女にかかれば、きっと色褪せない1つの物語として
あの少年はいきいきと物語で生き続ける気がした。

****************************


13KIDさんの作品は全て読ませて戴いていますが、「一生懸命生きている・生きて来た・生きようとしている」強さを感じる。

モノを書く以上は、作者が誰よりも(キャラよりも)一生懸命で在って欲しい。それを表に出すことは恥ずかしいし、難しい。
でも、このかたの作品には、それがある。
だから、読んでいて「突き刺さる」のではないでしょうか?


そして、WEBの人真似や、ストーリー酷似、許されるものではない。
でも、簡単にできてしまう。

これは「人は殺せるし、方法も知っている。けれど、そこに理性や概念があれば禁忌と分かる」レベル。
要は、自分の弱さに負けてしまっているからこそ。

しかし、文章を綴る時、心に響いてしまって出て来てしまうことはある……でも、それを公表してはいけない。

……というような基本的な教訓も含まれている気がしたのだけど。
(蛇足だったら失礼します)

青春グラフティ文芸、出逢えて良かった一品でした。



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2016/12/03 16:11
コメント(1)

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