このページのリンクアドレス

エブリスタ
繰り返しの雨宿り

小説 ホラー・オカルト

繰り返しの雨宿り

樹乃 ななせ

(18)

いつもの帰り道。突然の雨に喫茶店へ駆け込む。彼女は初めての相席を経験する――。

完結

25ページ

更新:2017/06/08

コメント:7月13日号 新作セレクションにて紹介されました。ありがとうございます!

説明

雨が降っていた



自分の心を描いたような空



「すごい雨……」



あまりの激しさに、


私は雨宿りを決意する。



初めて見る喫茶店。


中は満席だった――――。



::.::.::.::



エブリスタにて
公開開始 2017-06-07
完結 2017-06-08

7月13日号 新作セレクションにて紹介されました。ありがとうございます!

※ホラージャンルではありますが、恐怖系ではありません。

この作品のタグ

作品レビュー

★にいだ★
★にいだ★さん
【作品】繰り返しの雨宿りについてのレビュー

ネタバレ


はじめまして!僭越ながらレビューをさせて頂きます!

ご拝読後、何とも言えない切ない余韻に包まれました。
そして、静かな感動も。

何気なく雨宿りで入った喫茶店。
洒落た店内。
相席をかって出る気さくな男性とマスターの軽妙な言葉のキャッチボール。

お話の前半は「うわぁ、何ともイキなお話じゃないすか!」と読み進めて行きましたら…
相席の男性が『昔話』を語り始めるに従って…物語は徐々に徐々に、その様相を違うものへと変えて行きます。

なるほど!
物語の全貌が明らかなった時!
彼女がオーダーしたトマトジュース、増えたり減ったりする喫茶店の客たち…
その全ての事象が物語の伏線だった事に気付かされ、心底驚きました!
物語の構成が恐ろしく巧みですね!

自殺は…
自分の命を捨てる事は、本当に罪深い事なんですよね!

その事を伝える為に、お店に主人公が訪れるのを待ち続ける男性。
そしてその事を主人公に繰り返し教え続ける男性。

自分が彼女を守ってやれなかったばっかりに彼女は死を選んでしまった…と、自分自身を責め続けながら…。

これほどまでに!
深い深い慈しみが有りますでしょうか!

愛って何だろう。
生きるって何だろう。

この作品をご拝読後、様々な思いが去来して来て、思わず魂が揺さぶられ深い感動と切なさに包まれました!

彼女の迷える魂が浄化される日は、来るのでしょうか。
天国で二人が幸せに結ばれる事を願わずにはいられません。

大変素晴らしい作品をありがとうございました!!

もっと見る

2017/08/25 19:43
コメント(1)
松ヶ枝朋幸
松ヶ枝朋幸さん
【作品】繰り返しの雨宿りについてのレビュー

ネタバレ


 親より先に死んだ子供は三途の河を渡ることができずに、その川原で延々と石を積み続ける作業をしなければならないらしい。
「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため……」
 積み上げては鬼に崩され、それを永遠に繰り返す。終わりは、ない。地獄に落ちて針の山を登ることもない。釜で煮られることもない。しかし、その罪が許される日が来ることも永遠にない。それは救いなのだろうか? それとも苦しみなのだろうか?
 人の理を外れた世界で、どれ程融通が利くかは定かではない。もし融通が利くのであれば、男性客は罪が無いにもかかわらずそこに居ることを選んだ。もし融通が利かないのであれば、自ら罪を作り、そこに居ることを選んだ。ここで言う罪とは、つまりはそのことだ。いずれにせよ、何十年もの間に様々な苦楽を経験してきたであろう男性が、その死に際に思い出したのが青春の日々とその日々を共に過ごした初恋の人であったのは、それ自体が悲しいことでもある。
 いつかは終わる、本当にそうなのだろうか。
 思い出しては忘れるを繰り返すその流れを、止めるものは一体何なのか。
 どんな河も、億の単位の月日で考えれば、いずれは干上がるか海の底に沈む。人の想いも、いずれは必ず、人知れず消滅していく。永遠に繰り返す、それはとても悲しい。しかし、その消滅も、またとても悲しい。いずれにせよ悲しいのであれば、徹底的に悲しみ抜いて欲しい。彼も彼女もそれが許される立場にある。だからこそ、それができる彼と彼女は、ある意味幸せなのだろう。読了後、柔らかい綿毛に触れるような温もりを感じたのは、それを無意識のうちに実感したからなのかもしれない。

※ 他者を評価できるような者ではないので、無評価でご勘弁ください。

もっと見る

2017/08/22 08:34
コメント(2)

樹乃 ななせさんのその他の作品

作品を読んだ人におすすめ

この作品が入っているマイリスト

この作品の参加イベント