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そこにあるもの

小説 ホラー

鬼頭幽明録~先輩と僕~

そこにあるもの

黒井あやし

(2)

深夜、いつも通る公園で「僕」が遭遇したのは…。

完結

11ページ

更新:2017/11/09

説明

登場人物説明

八柳葉介(やなぎようすけ)
「僕」
普通の大学一年生。語り部。
一見大人しそうだが、人見知りで口が悪い。一方、お人好しで意外と推しに弱い一面も。
何かと怪異に遭遇・お持ち帰りしてしまう。
オカルトに興味はあるが否定も肯定もしない中立派。


鬼頭先輩(きとうせんぱい)
「先輩」
葉介の通う大学の三年生。本名は不明。
見た目はチビで童顔でよく中学生に間違われる。
普段ぼぅっとしているが、オカルトの話になると豹変し、皮肉屋で飄々としていて、まったく食えない人物。
実家が古書店。オカルトの知識が豊富だが、自称「見えない人」らしい。

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作品レビュー

松ヶ枝朋幸
松ヶ枝朋幸さん
【作品】先輩と僕についてのレビュー

ネタバレ

 辟易している。
 私は、辟易しているのだ。
 ホラーとくれば、とりあえず何か気持ちの悪い妖怪みたいなのを出しておいてモンスターハンターよろしく大捕り物をしたり、凄い権威のありそうな陰陽師みたいなキャラに悪霊に対して無双させたり、何か髪の長い気持ち悪い女の霊が全力疾走してきてグシャー!!!ギャー!!!死んだー!ってさせておけばいい、そんなホラーに、辟易している(他の作品でそういうの書いてたらゴメンなさい)。
 ホラー、という定義を考えれば、人へ恐怖を与えてナンボのジャンルではあると思う。だからこそ、英単語の「ホラー」がジャンルの名前になっているのだ。しかし悲しいかな、その文章の中で無理に人を怖がらせようとしてしまうと白けてしまうし、そもそも昨今の我侭ボディな読者はそう簡単なことでは怖がってはくれない。そういう点で言うと、このホラーというジャンルは小説においてはとても難しいジャンルであると私は思う。
 人の死には、必ず何か原因がある。何か原因が有るから、人は死ぬ。それがたとえ、ホームレスという必ずしも社会的には高い地位を持っているとは言えない人であってもだ。そしてそんな人であっても、自分の最期くらいは誰かに看取ってもらいたいと思うのが人間というものではなかろうか。それまでの人生がどれ程底辺をひた走るものであったとしても、最期に誰かの腕の中で死ねるのであれば、それはそれで幸せな人生なのではないかと思う。だから、人知れず仄暗い炎の中で死した名もなきホームレスの無念は察するに余りある。その読者の心持ちを、主人公はしっかりと代弁してくれている。しかし、先輩の言うことにも利が大いにあるのだ。納得しなければならない。読了後にどこか物悲しい気持ちになるのは、その物語を無理に終わらせようとしなかったという、作者のテクニックが光るからなのではなかろうか。
 ひょっとしたら、本作はホラーとしては亜種にあたるのかもしれない。しかし私にとっては面白い作品であるし、続きが是非とも読みたいと思わせてくれる作品だった。

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2017/08/26 15:17
コメント(3)

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