このページのリンクアドレス

エブリスタ
使えなくなったこたつ

小説 ヒューマンドラマ

使えなくなったこたつ

michico

(6)

子どもが巣立った後、妻に癌が見つかった事を知らない夫は熟年離婚を申し出る。

完結

22ページ

更新:2018/01/28

コメント:「こたつ」

説明

子どもが巣立った50代のおしどり夫婦の悟と夏子。
夏子は胃がん検診で癌が見つかってしまう。
そして、その日に悟から離婚届を差し出され……。






 *** 作者メモ ***

三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第67回 「こたつ」
優秀作品

この作品のタグ

作品レビュー

★にいだ★座骨骨折??
★にいだ★座骨骨折??さん
【作品】使えなくなったこたつについてのレビュー

ネタバレ

大変遅ればせながら妄想コンテストおめでとうございます!!

いやぁ、物語の後半から涙が溢れて溢れて、何度も目を擦りながらご拝読させて頂きました!
凄く凄く!素敵なお話ですね!まさに納得の受賞作品です!

お互いが、お互いを大切に想うが故のすれ違い。
私は今作をご拝読させて頂きながら『賢者の贈り物』のお話を思い出しました。
ある女性が愛する男性に金時計の鎖飾りを贈るために自慢の美しい髪を売ってしまう…。
しかし男性の方は、愛する女性に美しい髪をすく櫛を贈るために自慢の金時計を売ってしまう…。
結局、お互いの贈り物は、無意味となってしまうのですがお互いがお互いを想う愛情を更に深く知り、より一層、愛が深まる物語です。

今作品は、まさにその『賢者の贈り物』に匹敵するくらいの夫婦の深い愛情の物語だと思います!
相手に辛い思いをさせたくないからこそ!大切に思っているからこそ!
妻は癌を隠し、夫は熟年離婚に踏み切る訳なんですよね(涙)

しかし、お姉さんのイキな計らいによって、夫婦はお互いの愛情を改めて実感する事になります。

「俺はね、ずっと思っていたんだ。夏子は俺には勿体ない嫁さんだって。いつも穏やかでいてくれるから、俺も穏やかでいられる。いつも笑っていてくれるから、俺も笑っていられる。いつも優しくしてくれるから、俺も優しく接することが出来る」

「優しい悟は人の人生に関わることで、自分の幸せを守ることを拒んでしまったのだろう。
 だけど、大丈夫。
そこから立ち直れたら、きっとあなたは幸せになれるから……」

何て!素敵な思いやりなのでしょうか!!
物語の最後に、改めてこれからの人生をともに歩んでいこうと決心する素敵なご夫婦に、
本当に!本当に!心の底からの惜しみないエールを贈りたいと思います!

こたつのぬくもり…。
それは同時にご夫婦の愛のぬくもりでもある訳ですよね。

少し直して再び使えるようになったこたつ…。
それは同時に、少しの修復でより一層、ご夫婦の想いが深まる愛情の比喩でもあるのですね。

いやぁ、まさに涙腺が崩壊する大変大変素敵な作品です!
ご拝読させて頂き、本当に本当にありがとうございました!!

もっと見る

2018/03/25 06:57
コメント(1)
ももたろう
ももたろうさん
【作品】使えなくなったこたつについてのレビュー

ネタバレ

最初にでてくる、「ダメになったから処分する。 私と同じなのかも知れない・・・」で始まる。

何となく、寂しい感じがする。さてどんな話が始まるのだろうか。

二人の娘、長女はすでに嫁ぎ、次女も短大を卒業と同時にそのままそちらで就職の予定という。

夫はあと10年で定年を迎えるというではないか。おそらく50半ばの夫婦らしい。
そんな時に見つかった胃がん。ステージ2Aとか。手術で治る可能性もある。
そのことを夫にどう話そうか?

そんなことを家に帰ると、夫が青ざめた表情で、テーブルの上には『離婚届』
その理由は、なんと言うことだろうか。

彼女は病気のことを告げることもできず、離婚届にサイン。

別れと手術を前に、家の整理をすることになるが、こたつの故障に気付く。そして新婚当時の小さいこたつに想いが及ぶ。

新婚当時、何もできなかった私に彼はこたつで笑って励ましてくれたという。
それはまるで、こたつのように温かい彼の心のようであった。

彼の優しさは、彼の仕事に関する非情さにさいなまれ、自分が幸せであってはならないという気持ちであったのだろう。首を切られる社員の身になって見れば、そう思うことも不思議ではないが、誰にでもできることではないし、たとえそうしたからと言って、彼らの気持ちが少しも和らぐことはない。それは分かっていることだろう。

そう、姉の言う通り、無理に別れることないでしょ。それよりも自分の病気を知らさなかったことに関する後悔も。

夢?
手術後の病室に、夫がいるではないか、「こたつは捨てていないし、離婚届も出していない」と。

手術はうまくいった。こたつも捨てないで残っている。


単なるこたつ、されどこたつ。

結婚して25年か30年。二人の苦労と幸せのしみ込んだこたつ、寒い時ほど、世間が冷たい時ほど、うちのこたつが温かい。

そうですね、人生のほっとする時間。大切ですね。
なんとも心温まる物語ですね。

もっと見る

2018/01/30 23:09
コメント(3)

michicoさんのその他の作品

作品を読んだ人におすすめ

この作品が入っているマイリスト

この作品の参加イベント