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F-CITYのアンジュ

小説 SF

F-CITYのアンジュ

明日乃

(2)

敵は国家か、アンドロイドか? アンジュはF-CITYの自主自立を目指す

完結

426ページ

更新:2018/05/01

コメント:5月1日、誤字脱字の修正をしました。<m(__)m>

説明

人工出産システムの権益を要求する中央政府がF-CITY制圧に動く。

市長のアンジュはAIのブックスとアンドロイドのユーティーの力を借りて撃退。中央政府に乗り込むが、そこでアンドロイドの自立を目指すブックスの反抗にあう。

ブックスが戦闘用アンドロイドを支配下に置く中、アンジュは自衛隊を離れた二階堂、元夫の芋川らの力を借りて、ブックスのコピーであるβの残した謎解きにかかる。

そんな中、中央政府とF-CITYに極秘の首相選挙が行われ、アンジュが市長に選ばれたという。

βの思惑は? そしてアンジュはβを倒せるのか?

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作品レビュー

宮崎亀行進
宮崎亀行進さん
【作品】F-CITYのアンジュについてのレビュー

ネタバレ

完走いたしましたので簡単ですがレビュー失礼いたします。

まず、明日乃さんらしい読み易く、無駄の無い文章でスムーズに物語りは進んでいきます。
最近、以前より描写が増えていると感じられるのは、編集者の方の要望に沿っているのでしょうか。

長編ですが途中、緩急があり盛り上がりも用意されて飽きさせません。

私の感じたイメージはハリウッド映画でしょうか、随所に印象的な断片がちりばめられています。
それは、私が映画好きな所為もあるのでしょうけれども、きっと映画好きな読者には映像が脳内で再生される事でしょう。

例えば、腹の出た所長。ハリウッド映画の警察署長の定番でしたね。必ずといっていい程、最初は主人公に非協力的で、しかし途中から頼れる存在になります。

そしておちゃらけたサブキャラ、これも定番。
無口でわが道をゆく、馴染み辛いが頼りになるワイルドな男。
これらの人物たちに人間らしいバックボーンを与えています。

そして最も重要な敵対者。そのかわり身の早さと狡猾さは悪役らしく憎たらしくなります。
権力者たちの小物感。いずれをとってもしっかりとドラマしています。

主題は、高度に発達したアンドロイドの開放。これをアメリカの公民権運動になぞって描かれている様に感じました。

最後の演説でアンジュが告白していますが、作家様は多分、キング牧師の有名な演説を参考にしているのでしょう。

そして、演出はチャップリンの独裁者のラストを想起させます。ラジオから聞こえる独裁者の訴えかける言葉が、独裁者と入れ替わった床屋のチャーリーの言葉へと変わってゆく有名なシーン。これには派生が多く、ドラマの定番となっていますよね。

現在、明日乃さんにとって重要なテーマであろう、人間とは何か、人間の未来はどうあるべきなのか。そのたどり着く先は人間が神の領域に踏み込む事ではないか。人間が作り出すものにどれ程の違いがあるというのか。そんな問い掛けに感じました。

最後まで楽しめました。ありがとうございました。

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2018/05/27 07:54
コメント(3)

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