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あの夏はキミの中

小説 恋愛

あの夏はキミの中

沙音

(4)

もう一度夏が始まる

完結

439ページ

更新:2018/06/02

コメント:表紙アレだけど恋愛小説です……はずです。完結しました。ありがとうございましたm(_ _)m

説明

12歳の夏、月丘メッツ4番の陽向は最後の大会の決勝で敗れる。
第一打席はホームラン、最後の打席は空振り三振。

「また勝負しようなっ」

グラウンドを去ろうとする陽向の手をつかんだ、相手チームのエース。

中学生になって野球をやめる陽向だったけれど。

彼の言葉は夏の青い空と一緒に陽向の心にずっと残って。

再会する、転校先の中学で、彼──夏目理央と。

陽向は彼があのときのエースだとすぐわかるのだけど、理央は陽向が4番とは気づかない。

陽向のバッティングを見た理央は、メンバーの足りない野球部に陽向を誘い、陽向は自分が4番だと打ち明けないまま野球部に入るのだが……?



野球に恋した女の子の恋と青春の物語。



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作品レビュー

ももたろう
ももたろうさん
【作品】あの夏はキミの中についてのレビュー

ネタバレ

全編が野球で一杯だった。

クラブの存続も危ぶまれる弱小チーム「白楠中」野球部が、全国レベルでも優勝候補に挙がる「清桜中」に互角の戦いを挑むまでの成長を通して、彼女がそして彼たちが追いかけたものは何だったのだろうか。

青君とのダブルプレーには涙さえにじむ。
その場にいて応援したくなるような気分にさせてくれる。
『清桜敗れる たった10人の野球部が勝った』

でも次では。
野球の夏は終わった。

中体連が終わったら話すことになっていた続きは、きっとそうだろうなという予感を感じさせる。「宿命のライバル」の二人は、それは、もしかしたら小6の大会でのホームランから決まっていたのかもしれない。

女子が挑む野球。確かに全編をとおして野球が描かれておりますが、それは何か演劇の舞台であって、そこで演じられていたのは正に青春。
主人公はもちろん、理央や女の子の友達など魅力ある登場人物が活き活きと飛び回っていて、とても好ましい。

この作者さんは、言葉が丁寧で随所にしゃれた会話がちりばめておられ、風景描写も巧みでいつも感心させられます。

『心が雑巾みたいにぎゅっと絞られている気分』とか、『誰か恥ずかしい妄想を消す消しゴミを私にください』とか。
花火のシーン。空に浮かぶ花火もきれいでしょうが、それが映るたんぼの風景もきっときれいだろうな。

彼女を取り巻く恋模様が絡んで、いとおしくて時に切ない。

野球に限らず自分が大好きなものに打ち込む姿は見ていて気持ちが良い。野球に恋した女の子の青春、その一コマ一コマが輝いていてとても鮮やかな世界がそこにはありました。

野球という舞台を借りてはいるものの、そこにあったものは特別な世界でも何でもなく、青空に飛んだ白球を追う姿に映しだされた、どこまでも続く若者の特権、夢と恋が広がっておりました。

暑い夏空で飲んだサイダーのような「スカッと爽やかな」読後感、素敵な青春ドラマをたっぷりと堪能させていただきました。

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2018/06/02 17:01
コメント

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