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へびおとこ

小説 青春

へびおとこ

とりお

(5)

学校には、もうどうしたって行けない。あたしがたどりついたのは、図書館でした。

完結

66ページ

更新:2018/06/05

説明

ささいなトラブルがもとで、六年生のほのかは転校先の学校に行けなくなった。家族に心配かけないためランドセルを背負って街をさまようが、心休まるひまはない。そんなほのかがたどり着いたのは、おんぼろの図書館だった。そこには「へびおとこ」と呼ばれる司書がいた。やがてほのかは、へびおとこの策略にひっかかり、図書館の仕事を手伝うはめになる。美人のうつみさんや、カトンボ館長、そして書庫の奥にいる謎の少年・スタビンズたちと過ごすうち、ほのかはだんだん居心地の良さを感じはじめるのだが……。
図書館司書・犬上さんは、「けんすけのすきなひと」では主役です。

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作品レビュー

巴世里
巴世里さん
【作品】へびおとこについてのレビュー

ネタバレ

氷室冴子青春文学賞大賞おめでとうございます。
読み始めたら一気に作品世界に引き込まれて最後まで読み終えていました。
素晴らしい作品を読ませて頂いてありがとうございます。
何度も目頭が熱くなりました。

きっと作者さまは図書館と縁の深い方なんでしょうね。
居場所を失った子ども達を何も言わずに受け入れて、自然に仕事を与えて、子どもにとって心地良い居場所にして行く。
図書館への愛が溢れているように感じました。

へびおとこの特別な設定がまた胸を締めつけます。
彼の大変な人生をニュートラルに乗り越えて行く姿、人間性の素晴らしさ。
特別な外見にも関わらずほのかちゃんが淡い恋心を抱いたのも、その人間性に触れ彼にどれだけ救われたかを表しているように思います。
そして主人公のほのかちゃんの真っ直ぐな強さがよかった。
その為に自分自身がいじめを受けたり、苦境に立たされる事も多いけど、どちらかと言えば世渡り下手のタイプかも知れないけど、図書館での父の上司に謝罪を要求するシーンや、不登校仲間を不良から救い出すシーン、香姫に尻餅をつかせた場面は胸のすく思いがしました。(スタビンズがほのかちゃんを好きになるのも当然!そして、お年頃の男子が好きな女の子に強がって突っかかるのも仕方ない)
世の中は理不尽で溢れているけれど、正しいことがちゃんと報われるお話で嬉しくなりました。
レオ・レオニの『スイミー』はとても好きな絵本です。
皆と違う黒い小さな魚がへびおとこ。
『ぼくが目になろう』と彼も決意したんでしょうか。
天井に子ども達と一緒に折り紙を貼っていく姿がわぁっと頭に浮かび上がって来て、感動で胸がいっぱいになりました。
終わりにしたくなかった図書館での幸せな時間。
その時間が天井でずっと息づいているようなラストに泣かされました。
もう一度、素晴らしいお話をありがとうございました。

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2018/07/11 04:20
コメント(2)

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