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燕の旋律

小説 ヒューマンドラマ

燕の旋律

五丁目光佑(こうすけ)

(5)

完結

16ページ

更新:2018/09/17

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作品レビュー

ももたろう
ももたろうさん
【作品】燕の旋律についてのレビュー

ネタバレ

何年ぶり、いや何十年ぶりなのであろうか、故郷に帰ったこの男性は懐かしさを味わう。
どうやら彼は、高校三年の冬にこの地を離れることになったようだ。

バスに乗って町に出る。バス停の名前が懐かしく感じる。
私自身の経験でも、久しぶりに故郷に帰ったときに乗ったバスが何と懐かしかったことか覚えております。

通り過ぎる建物、風景は全く違っていても「○○市役所前」とか「○○高校前」とか、「○○病院前」とかそういう名前は変わらずにそこにあった。
でも途中ここは「○○映画館」だったはずでは、と言うように無くなっているものもあり、時の流れを感じる。

彼が高校の時によく行った書店で見つけた本は?
それは、今までの景色や建物が懐かしいという種類のものと違う、まったく異質のものであったことだろう。

彼の脳裏に浮かんだものとは?

「燕の旋律」
歌を歌うことと小説を書くことの違いはあるかもしれないが、生きてゆく証となるものをみいだしてくれた彼を忘れることはできなかっただろう。

「去る者は日々に疎し」とは言いますが、彼が捨ててしまったこと、捨てることを余儀なくされたことは、今はどうやっても取り返すことができないものであることに気づくが、彼女がまだそれを捨てずにいたことに驚愕する。

あの時二つに分かれた線は、「燕の旋律」のよって、また交わるかのように思えたが、それはそのまま。でも互いの想いはきちんと交わっていたんですね。

繊細な情景描写が、誰にでもある思い出、時の流れを包み込み、時には重くまた時には飛び立つ燕のように軽やかに、でもその翼を閉じるときは眠るように静かに。

とても心に響く、魂を揺さぶる素敵な物語でした。

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2018/09/25 21:15
コメント(2)

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