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小説 ノンフィクション
17歳。性同一性障害。…恋。
休載中
『…ずっと好きだったんだ』
『…ごめん、けんちゃんの事可愛いと思うけど…けんちゃん男じゃろ?…本当ごめんなぁ』
14歳。
私の初恋は見事に散った。
6年間ずっと彼に片想いしてた。
振られるのはわかってた。
…だけど伝えたかった。
『…そっか』
私にはひとつだけ聞いてみたかった事があったから。
『もし私が『女』だったら可能性はあったのかな?』
その言葉からしばらく電話越しに沈黙が続く。
きっと優しい彼の事だ。
こんなくだらない質問に真面目に考えてくれているのだろう。
『そうだね…けんちゃんが女だったらわからなかったかもね』
曖昧でもいい。
嘘でもいい。
私はこの瞬間に決めた。
『そっか。…じゃあ私女になる…!』
これはそれから3年後の話。
私がニューハーフになるまでのちょうど曖昧な時期の…ちょっと切ない恋の話。