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小説 ホラー
狂気に取りつかれた人間が見る最後の悪夢──鮮血の謝肉祭が今開幕する。
休載中
2XXX年。
核戦争後の近未来。生き残った人々の間に、突如個体ごと固有の“異端”と呼ばれる力が宿ってから久しい。
その原因は不明だった。先の核戦争で放出された大量の放射能による突然変異か、進化の過程での遺伝子改新か。
様々な憶測が飛んだが、当時人々は目の前の復興活動に躍起になっており、その疑問は徐々に埋もれていった。
そして現在。科学は2010年代の水準まで復旧。
ここ……日本でも、再び手に入れた平和で快適な暮らしを人々は謳歌していた。
そんな中、突如発生した無差別連続殺人事件。発見された全ての遺体には、全身に幾重にも連なった牙痕と、剥き出しにされた内臓に何か鋭利な牙を持つ野獣に食い破られたような咀嚼痕が残されていた。
そして、事件発覚の翌日、決まって警視庁へと直々に送られてくる、一通の怪文書。
“鮮血の謝肉祭は幕を開けた”
恐怖に取り憑かれた民衆へと無差別に振り下ろされる狂気の刃。
犯人はなにものなのか。そして、その目的は何か。
警察の捜査の甲斐もなく、鳴り止まぬ惨劇の追復曲。
しかしそれは、国家を揺るがす未曾有の大虐殺への序曲に過ぎなかった。