第3回 yom yom短編小説コンテスト 

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yomyom 西村編集長のひとこと

作家のみなさんの創作活動に関する質問に、yom yom西村博一編集長がお答えします。質問投稿はTwitterのつぶやきに「#ヨムエブ」のハッシュタグを入れて呟くだけ! 回答は毎週木曜日に更新!

※採用された一問一答は物書きのためのメディア「monokaki」に掲載されます。

※編集長が回答する質問はエブリスタ編集部で集約・編集します。すべての質問に回答できるわけではないことを予めご了承ください。

今週の一問一答


RINO


短編を書くのが苦手です。決められた文字数に収めるのにも苦労します。書き方のコツのようなものはあるのでしょうか。


純鈍@エブリスタ


タイトルって重要だと思いますか?


なんでもない呟き


執筆をしていると、この作品は面白いのだろうか……と悩むことがよくあります。作品の面白さってなんなんでしょう。どこから生まれてくるんでしょうか。面白い作品を書くために具体的にできることはありますか?


アルドウィーン羽流花


小説を書いてて、その時はこれでいける!と思って進めますが、しーばらく経ってから読み返すと、イマイチ……書き直そう……ってなります。正直、この作業には終わりがないのですが、プロの方にはそういう事は起こりませんか?

#ヨムエブ

2018.12.13



yomyom 編集長


タイトルは思わず漏れる「!」のようなもの

 さて、前回はわかりやすく歴史小説を例にしましたが、もちろんどんな性格の作品でも、作者が物語をどこかで俯瞰しているのは同じです。失われた恋の物語であれば、恋が失われた地点から、「なぜあの恋は失われたか」という書き手のメタ意識のもとで、そこに至る恋人たちの様々な瞬間が切り取られる。

 あるいは物語の結末は敢えて不確定とし、作者はその手前に踏みとどまってひとまず作品をフィナーレにして、そこまでの登場人物の道のりから読者と一緒に未来を考えることもあるでしょう。

<僕は彼女の病を知らないままで付き合いだした。やがて彼女の嫌なところに苦しめられた。でもそれは僕をひとりでこの世界に残して行くはずの彼女の精一杯の気遣いだった。やがて彼女の命の火は消え、僕は一人で立ち尽くしている>……そんなお話があるとします。

 この愛の物語の時間は、本当はきっと「僕」がこの世を去る時まで続きます。でも作者はその手前、彼女が世を去り彼は残りの時間を生きていく、という地点に足場を定めました。きっと彼は、彼女が与えてくれたものを(なんでしょうね。誰かを大切に思う心とか、たとえ負けるとわかっていても運命に立ち向かう勇気とか?)、これからの人生の宝物にして、時にその力に支えられたりしながら生きるのでしょう。

 だとすれば、根本的にはこの小説で切り取られて行くのは、彼が彼女から宝物をもらった様々な瞬間です。仮に彼女の奇妙なクセだとかツンデレ加減とかが描かれるのであれば、“キャラを立たせる”ためにではなく、その宝の瞬間を辿るうえで不可欠だからこそ描かれるのだと思います。

 そう考えて行くと「タイトルって重要だと思いますか?」とご質問くださった【純鈍@エブリスタ】さん、タイトルはやっぱり重要なのですよ。なぜなら、タイトルは物語を俯瞰する視座と、切っても切り離せないものですから。「物語をこの場所から眺めたら、こんな光景が目に突き刺さった!」という感嘆符みたいなものですから。だから作品タイトルがぼやっとしている状態では、どうしても中身もぼやっとしがちだと思うのです。

 タイトル未定のまま企画を出す担当者に、私が「仮でもいいから、本にする時にまた変えてもいいんだから、早めにタイトル付けて作家さんと共有してくれません?」とリクエストをするのは、そんな訳なのです。



エンディングのイメージを探してみる

 それから「執筆をしていると、この作品は面白いのだろうか……と悩むことがよくあります。作品の面白さってなんなんでしょう。どこから生まれてくるんでしょうか。面白い作品を書くために具体的にできることはありますか?」という【なんでもない呟き】さんと、「小説を書いてて、その時はこれでいける!と思って進めますが、しーばらく経ってから読み返すと、イマイチ……書き直そう……ってなります。正直、この作業には終わりがないのですが、プロの方にはそういう事は起こりませんか?」という【アルドウィーン羽流花】さん。

 何を「面白い」と捉えるのか、にもよるのです。

 たとえば、自分のよく知らないお仕事生活のディテールですとか、歴史のトリビアですとか、そういうのがたくさん書いてあったから「面白い」と言ってくれる人もいるでしょう。小説を読むという行為の中に、そういう楽しさも含まれること自体は否定しません。

 ただ、それだけならノンフィクション読んだ方がいいんじゃない? と、私は思う部分もあるのです。言い換えれば、小説だからこそ表現できる「面白さ」ってなんだろう……という問いですね。

 お仕事生活のディテールでも、歴史のトリビアでも、それを切り取ることによって、私たち読者にどんな光景を見せてくれるか、そこにどんな驚きや発見があるかが、小説の魅力を左右すると思うのです。

 書き手の中に読者を連れて行ってあげたい場所、見せてあげたい光景が定まって、的確なエピソードの連なりによってそこまで力強く運んでくれる――そうした太い道筋があってこそ、ひとつのお話は「設定や舞台の説明書き」のレベルから脱皮して、「ああ世界は(あるいはそこに存在する人間は)、確かにこんな風貌を見せることがあるのだろうなあ」という感動を生んでくれるのではないでしょうか。

「だからそれは、どうしたら実現できるの?」というご質問も、当然ですがおありでしょう。ですよね。どうしたらいいんでしょうね……。

 それはざっくりと言えば「エンディングのイメージを探す」ということに近くなってくるように思いますし、そのための手段として「プロットを練る」という試みが大切だと考えるのです。その過程でタイトルも、読者に対するインパクトをどうやって持たせるかみたいな課題はひとまず脇に置くとして、基本形的なものは浮かんでくるのではないでしょうか。

 もちろん、「書き出して見なくちゃエンディングのイメージが掴めない」という方は、プロの作家さんでもいらっしゃいます(けっこうたくさん、いらっしゃいます)。

 でも、よい作品というのはきっと、書き進めて行く中であっても「そうか。自分はここに読者を連れて行きたかったのか。この光景を見せたかったのか」ということが見つかったものなのだろうと思うのです。

 だから作者の方が「イマイチ……」と感じていらっしゃるような時は、私は「物語をどこに向けて走らせているのか」を意識してみます。そこからキャラクターのイメージがはっきりしてきたり、クライマックスの置き方が導かれたり、そういうことを期待するわけですね。

 それでも時間が経ってみると、物語の新しい俯瞰ポイントが見つかることだってあるわけですよ。単行本から文庫化される際に、大改稿が加えられてエンディングすら変わってしてしまうケースもあります。

 こうした姿勢を批判的に見る向きもあるのですが(いったん世に出した作品を改稿するのは読者に対して失礼じゃないか、とかですね…)、私はそういう書き手の強い思いが大好きなので、むしろ最大のリスペクトを込めて、たとえば高村薫さんや横山秀夫さんの改稿を楽しみます。

まだまだ皆様からの質問を受付しております!質問の投稿は「#ヨムエブ」でツイート!

スケジュール&賞典

募集期間 2017年9月15日(金) 17:00:00 ~ 2017年11月30日(木) 23:59:59 結果発表 2018年3月16日(金)

●大賞(1作品)
・編集長講評
・yom yom本誌全文掲載
・別冊号掲載
・賞金3万円
●優秀賞(数作品)
・編集長講評
・yom yom本誌抄録掲載
・別冊号掲載
・賞金1万円
●入選(数作品)
・編集長講評
・yom yom本誌あらすじ掲載
・別冊号掲載

募集内容

「yom yom短編小説コンテスト」は、創刊10周年を迎えた新潮社の文芸誌「yom yom」に作品が掲載され、編集長から作品講評がもらえるコンテストです。入賞作品(大賞~入選)は講評と共に、2018年4月号(3月16日配信)のyom yom本誌で紹介されます。また、受賞作品と講評が載る別冊号も刊行され、エブリスタが主催/出展するイベントにて販売します。

さらに、コンテスト募集期間中、「編集長一問一答!」を同時開催!作家のみなさんの創作活動に関する質問に、yom yom西村博一編集長がお答えします。質問投稿はTwitterのつぶやきに「#ヨムエブ」のハッシュタグを入れて呟くだけ!回答は毎週木曜日、イベントページ内に更新されます。

※編集長が回答する質問はエブリスタ編集部で集約・編集します。すべての質問に回答できるわけではないことを予めご了承ください。

【yom yom西村編集長のひとこと】言葉は不思議です。 一人で言葉を獲得する人はいないので、それは明らかに自分の外からやってくるもの。 でも私たちは言葉を使い、自分の内側の様々な感情を表現します。 なので言葉の集合体たる物語は、私たちの外(=世界)と私たちの間に生まれた謎の生命であるわけです。 皆さんの世界と皆さんのDNAがミックスされた未知の生命体に出会えるのは、本当に楽しみです。

yomyom編集長 西村博一 インタビュー

応募要項

1)5000字~20000字の短編小説作品 2)完結必須 3)ジャンルは自由です

※お一人様、何作品でも応募頂くことが可能です。

※非公開作品は審査対象外となります。

※新作推奨ですが、過去作・他の賞で落選した作品を上記の形に再構成して応募戴くのも歓迎です。

※エブリスタ内の公式イベントや、他サイト等の文学賞で過去に受賞した作品は選考対象外とします。

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